ドリーム小説
「よ!もじゃ原赤目くん」

「何かさらに酷くなってねー?!俺の名前!!」




またまた来ました、例のテニスクラブ。

挨拶代わりにもじゃで遊ぶ。

今日は部活がなかったようで、こっちにきたみたいだ。

もちろんさんはクラブのおじさんから情報をもらっていたため、もじゃがここに来る事は知っていましたよ。

てか休みにもテニスするなんて弦くらいかと思ってた。




「邪魔すんなよ!急いでんだから」




なぜかスピードゲームに赤目はこだわっている。

相変わらず乱暴な試合だし。

これさえ何とかなれば可愛い奴なのに。




「何でそんなにスピードにこだわるの?カウントには関係ないじゃん」

「あぁ?どうせフルセットで勝つにしても早い方がカッコいいからだよ!」

「そういうもんかねー。私じわじわやるのも面白いけどなー。試合してみる?」

「アンタどんくさそうだから嫌だ」







***






今日もベストタイムを伸ばして相手をボロボロに負かし俺はクラブを後にした。

小腹が減って、いつものように駅前にあるファミレスに入ってピザを頼んだ。




「じゃ私は紅茶で」

「ってアンタ何してんだよ!!」

「何って・・・尾行・・?」

「隠れる気ねーだろうが!!」



店員に注文している間にいつの間にかあの女が向かい側の席に座って紅茶を頼んでいた。

大体、堂々と尾行とか言うなよな!




「いいじゃん。暇なんでしょ?デートだと思ってさ」

「女のくせにデートとか軽々しく言うなよ!」

「・・・・今、何て言った?」




何なんだコイツは!

もう一度繰り返してやると、すっごい笑顔を返された。

今までちゃんと見てなかったけど、コイツすっげー美人だ。



「ふふ。さんと呼んでくれて構わないよ、赤目くん」

「・・・絶対呼ばねー」



美人だけどやっぱムカつく!






その後、いつものコースで俺はゲーセンに寄った。

しかもという女がやっぱついてきた。

別にデートって訳じゃないのに勝手に並んで歩くから正直困ってる。

俺にどうしろと?!




「なぁ赤目くん。これ何だ?」

「は・・?何、格ゲー知らないの?」

「知ってるよ、理論上は」

「ようするに知らねーんじゃん」



ゲーセンによくある2P対戦型格闘ゲーム機を食い入るように見ているから俺は小銭を出してそこに座った。

最近は全然やってなかったけど、さすが俺。

やっぱ強ぇ!

も連勝し続ける俺の肩を掴んですごいすごいと騒いでる。

偉そうにしてる割に可愛らしいトコあんじゃん。

あんまり楽しそうにしてるから代わってやると、一人で騒ぎながらコントローラーを動かしていた。




「え?え?!この!ほあちゃーッ!」




いやいやいやいや。

そんなに画面に威嚇しても意味ねーし、それ何?!

てか、俺のコーチとして来たって事はテニスが少しは出来んだろうけど、コイツ一体何者なんだ?

本人は気晴らしの相手だと思えとか言ってくるし、訳わかんねー。

そのくせ、命令口調でムカつく。

気付けば瞬殺されていて画面にはゲームオーバーの文字。

落ち込んでるがらしくなくて、何だかめちゃくちゃ面白かった。







***






日の光が赤みを増し、傾き始めた頃、と赤也は並んで歩いていた。

何だかんだ言いつつも互いに遊び歩いた事実に二人は少し驚いていた。

赤也はが冗談で言っていたデートと言う言葉を不意に思い出して頭を振った。




「俺の先輩でどうしても倒したい奴がいるんだけどよー」

「・・・先輩って、真田弦一郎?」

「!!」




楽しそうに赤也を覗き込んだに赤也の足は自然に止まった。

その表情には疑問の色が浮かんでいる。




「何で、知ってんだ・・?」

「ホントに私の事知らないんだなー赤目くん。これでも変な知名度だけはあると思ってたのに」

「は?」




は首を振って苦笑うと、赤也の先を歩き出した。

呆然と立ち尽くしていた赤也は思い出したように足を進める。




「ちょッ・・真田副部長のこと知ってんのか?」

「知ってるも何も、テニスやってるなら立海の”皇帝”知らなきゃおかしいでしょ」




は自分で言って笑ってしまった。

にとって弦一郎は幼なじみであって皇帝とか呼ばれるような偉い人じゃないのだ。

ましてやには皇帝と言うより、カミナリ親父の方がピンとくる。




「弦に歯向かうのは止めといた方がいい。赤目くんならもっと強くなれるし、良いプレーヤーになれる」




そう言ってが振り返ると赤也は黙って後ろに立っていた。

何だかその雰囲気がおかしくて首を傾げると、その鋭い目がを射抜いた。




「・・・・・それは今の俺じゃ勝てないって言ってんの?」




は内心で思いっきり舌打ちした。

血気盛んな少年にああ言えば地雷を踏むと分かっていたはずだった。

だけど、心の奥に仕舞っていた戦わせてみたい気持ちが芽を出してしまった。

こうなったら一か八か賭けてみるしかない。




「勝てないよ、今の君じゃ」

「馬鹿にすんなッ!!俺は強い!!」

「今、手出しすれば間違いなく君は潰される」

「うるせェ!!あんな奴、俺が潰してやる!!」




そして赤也は一度も振り返る事なく、の元を去っていった。



* ひとやすみ *
・デートです!でーと!!笑
 赤也はこれくらい初心で一直線で可愛いとイイ!(09/01/27)