ドリーム小説
面倒なことになりました。
今までどれだけティーが努力して主人の存在を隠してきたか。
なのにボンゴレのおかげで全ては無に帰した。
むしろそれ以上に最悪です。
様の所在を消すのがあの方のご意向。
は今や伝説となり、名声や力を求めて探し求める輩が後を絶ちません。
ディーノ君は純粋に兄を探していたのでしょうが、懸賞金は本当に厄介だった。
ボンゴレも見付けた途端に大騒ぎで、よくもここまで情報を駄々漏れにしてくれたものです。
「つまりティーの周りをチョロチョロしてたのは護衛のためで、しかも奇襲を受けてる内に彼女は誘拐されたと?」
「・・・面目ねぇ」
確かにティーは様の意向でディーノ君の様子を見てはいましたが、キャバッローネは逆にティーを護衛してたと?
それではここにがいるから見付けてくれと言っているようなものではないか。
全く、自分達がどれだけ目立つか分かっていないのですか?
おかげでまんまとティーは見付かり、キャバッローネ襲撃を目晦ましに彼女は誘拐された訳ですね。
しゅんと項垂れたディーノ君に思わず溜め息を吐く。
「起きてしまった事は仕方ありません。ティーには様が付いていますし、彼女が捕まったのは彼女の実力不足です。
ですが、ティーが捕まりイタリアの管制は奪われました。イタリアから応援を呼ぶにも手間が掛かりすぎますし」
「俺達が手を貸すぜ」
「それは助かります。ですがキャバッローネには遠慮していただきたい。ボンゴレから情報が割れたことを考えれば
信用なりません。それに並盛で過ごす主人の今後のためにマフィアにいらぬ貸しは作りたくありません」
「・・・!じゃあ、ただの弟として手を貸すのなら?」
「それは大いに結構。存分に働いて下さい」
ボンゴレに今回の情報を漏らさないことで、私は当初の予定通りディーノ君と手を組んだ。
とは言え、部下なしの跳ね馬のへなちょこ具合は噂で聞いているため、少数精鋭は已む無く許可を出しましたが。
隣の部屋に追い出していた入江氏と少数精鋭の部下を部屋に入れて今後の話し合いを行う。
「敵の居場所も分からないのにいくら何でも五人やそこらでは少なすぎないか?」
「それなら・・・・あぁ、来ましたね」
「ちょっと、これどういうこと?」
「さんが誘拐されたってホントですか!!」
悲鳴のように叫ぶ草壁兄を迷惑そうに指差す恭弥君と草壁Jrがそこに立っていた。
今は緊急時なので許しますが、どうしてこの弟達は不法に入室してくるのでしょうね。
やっと来た恭弥君に答えるより先に、草壁を何とかしなければならないようですね。
「Jrを見習いなさい、草壁。これ以上騒ぐなら、この件から外します」
ようやく口を噤んだ草壁に恭弥君に付いてきたJrが溜め息を吐いた。
苦労しますね・・・。
あちこちに殺意を飛ばす恭弥君に私は今回の件の大筋を説明した。
理由や詳細をこの兄信者の弟君が聞く訳もありませんし、ぶっ飛んでるとはいえ彼は一応表の人間ですから。
「つまり、人手は恭弥君に、戦力はディーノ君にお貸しいただきたいのです」
「何で僕が?情報さえくれれば僕一人で充分だよ」
「おいおい、待てよ。大体こんな子供を巻き込んで・・・!ってあぶねー!なんだよ!」
「あなたこそ何。咬み殺すよ」
「ここで喧嘩するなら、情報は秘匿します」
「「・・・・」」
剣呑な雰囲気ながらも兄を心配する気持ちは同じなのか二人は渋々黙った。
何と言うか、面倒な弟達ですね。
これのどこが可愛いのか様にぜひ今度伺ってみたいものですが、不思議なものです。
どうやらお互いが様の弟だと気付いていないようですし。
「いいですか、私達は様を助けるために集まった同志です。諍いはタイムロス。様を危険にさせると思って下さい」
「つまり風紀の人手を貸せば、情報をくれるんだね?」
「えぇ。回って来た情報は全てお教えしましょう」
「俺は腕を買われたと思っていいんだよな」
「僕の獲物だよ」
「お前なぁ!相手は、」
「
秘 匿 」
「「・・・・・」」
全く、扱いづらい人達です。
先が思いやられ、思わず溜め息を吐くとフォローするかのようにJrが口を開いた。
「我々が動くのは分かりましたが、むやみに探し回るのでは・・・」
「心配ありません。餌はここにありますから」
「え、えぇ?!僕?!」
私は入江氏を引き寄せて、皆さんにお見せした。
犯人の顔を見ていないとは言え、彼は現場にいたのだ。
おそらく犯人もそう素直に見過ごしてはくれないでしょう。
こうして足並みの揃わない不安だらけなメンバーではありますが、様の救出作戦が始まった。
* ひとやすみ *
・面白いくらい不安満載な救出メンバーです。笑
ちくわ嬢視点で書いてみたんですが、これがなかなか難しかった・・・!
弟達、初顔合わせ!そしてお互いに気付いてません。
まぁ、どっちも胡散臭い奴だと思ってるんでしょうが。笑 (10/05/20)