ドリーム小説

病室を出るとティエラは超警戒態勢でキャバッローネがいないか見てくると慌てて走り去った。

おーい、病院で走っちゃダメなんだぞー?

何だかよく分からないけど、家に帰れと言われたのでとりあえず病院を出た。

帰宅途中、俺は懐のかさばりを思い出した。

あー!渡すの忘れてた!!

恭弥に見舞いの品として、作り置き自作クッキー持ってきたのに!!

多分割れてるだろう懐のクッキーを探しながら、俺は不甲斐ない自分に舌を打つ。

手で持ってたら忘れなかったのに、内ポケットに入れるんじゃなかった!!

トボトボと落ち込みながら、歩いているとカチャリと不穏な音が後ろから聞こえた。




「ちゃおッス」




突如、背後から声を掛けられ俺はピシリと固まった。

恐ろしすぎて振り返ることなんて出来そうもない。

だって、こんな珍妙な挨拶をする奴なんて・・・!




「リボーン・・・」

「まさか雲雀の兄としてこんな近くに隠れていたとはな、




ギャー!!やっぱ最恐のアルコバレーノ!!

今日は厄日か?!

俺、今日星占い2位だったのにー!!

恐々と首だけで振り返れば、真っ黒い赤ん坊が俺の背中に拳銃を突きつけて立っていた。




「まずはその手の物を離してもらうぞ。お前が出来る奴だとは聞いているからな」




え?

俺は固まった状態の身体を見下ろしてみた。

左手は何もない、右手はまだ懐に突っ込んでクッキーを握っていた。

えぇ?!何、このクッキーが欲しいの?!

出来るって何が?!

まさか俺が料理出来るってこと言ってんの?!

あなた、そんなことまで知ってるんですか!

情報通だなー・・・。

身の安全のため、俺は下手に出るように作り笑顔でおずおずとリボーンに聞いてみた。




「欲しいならくれてやるが」




するとリボーンはなぜか顔を歪ませた。

それから遠慮しとくぞと銃をしまい、帽子の鍔を下げた。

いらねーのかよ。

一体何なんだ?新手のイジメか?!




「ディーノや九代目から聞いてはいたが、噂通りハンパねー奴だな」




闇色の瞳が何かを見透かすように俺を見つめ、耐えられず目を逸らした。

そうだった。

リボーンは読心術が使えるんだから、俺の考えてる事とかお見通しってことだ!

確かにチキンでヘタレでビビリな所はハンパないと自分でも思う。

でもさ、鬼家族の元で育って、今度はマフィアの元で成長した俺だぜ?

そりゃ、こんな風にもなるって!

俺は遠い目をしてリボーンの言葉に小さく頷いた。




「こうじゃなきゃ生き抜いて来れなかった」




うん。我ながらよくこの恐ろしい世界を生きてきたと思うぜ・・・。

俺みたいなチキン野郎になっても仕方ねーと思わないか、リボーン?

心の中でそう問い掛ければ赤ん坊はつぶらな瞳を逸らした。




「そうだな」




あー、目も当てられないってことか。

そうだよな。

お前みたいな凄腕ヒットマンからしたら俺なんてチンチクリンだよな。

失笑を漏らすとリボーンは声を固くして俺に聞いた。




「俺は今、あるガキの家庭教師をしているんだが」

「綱吉がどうした?」

「お前、そこまで知ってんのか」

「お互い様だろ」




・・・何だぁ?

リボーンは驚いたように声を上げたが、俺からしたら心を読んで、綱吉をガキと呼ぶ赤ん坊の方がビックリだって!

なら話は早いと前置きを省いたリボーンは鋭い殺気を向けてきた。

こ、こっえぇ!!




「ツナはボンゴレ十代目候補だ。何の目的で並盛にいるのか知らねぇが俺の生徒に手出しするなら・・・」




はぁ?!ふざけんなよ!!

お前人の心読んどいて、まだ俺がどんだけビビリか分かんないの?!

俺は平穏無事に暮らしたいだけなの!!

チキンの俺がそんなこと出来る訳ねーじゃん!!




「誰に向かって言ってるか分かってるのか?」




この俺だぜ、俺!!

手出しも何も、頼まれたって係わりたくないっての!

モブキャラで一生過ごして何が悪い?!




「勘違いするなよ。俺はマフィアじゃない。俺の言いたいことが分かるよな?」

「あ、ぁ」




全力で裏社会とは関係ないよーと必死にアピールしまくると、渋々だがリボーンは納得してくれたようだった。

はー・・・、いくつ命があっても足りねーよ・・・。

げっそりと視線を上げると空に一筋の黒煙が上がっていた。

その直後、ドカンとまるで爆発したような派手な音が聞こえ、俺もリボーンも視線を元来た道に向ける。




「病院の方角だな」

「まさか・・・っ」




嫌な予感が的中しないことを祈って俺は走り出した。

俺の不吉な予感が今まで外れたことがあっただろうか・・・?

角を曲がり飛び出した俺は傷だらけで銃を握り締めているティエラを見付けた。

ティエラを隠す黒塗りの車の向こうにはしなる鞭とたくさんのマフィア達。

おいおいおい!そりゃ、やりすぎだろ?!

を取り出し止めに入ろうと走り込むと、不規則に動いていた鞭が予想もしない所から飛んできた。

ギャアァァァ!!よりによって顔狙いー?!




!」

「「「 !!! 」」」




顔を隠そうと翳したに鞭が巻き付き、俺、何とか無傷。

し、心臓止まるかと思った・・・!!




「女一人にそれはないだろ、ディーノ」

「・・・兄さん?!」




部下をゾロゾロ引き連れて力を発揮していたディーノは俺を見て目を見開いていた。

他の黒尽くめ達も何だかザワザワ騒がしい。

というか、部下の前じゃなきゃダメだって知ってるけどさー、

無勢に多勢というか、女一人にゾロゾロと何だか兄ちゃんは悲しいぞ、ディーノ・・・。


* ひとやすみ *
・しかし、ろくでもないサブタイトルだなー・・・。笑
 そんなこんなで80話。いつも皆様、ありがとうございますー!
 ようやくディーノと再会です!お待たせしました!
 この所、お兄ちゃんは大忙し。苦難ばかりで夭逝しそうだなと失礼な事を思ったり。苦笑        (10/03/20)