ドリーム小説

もう、何がどうなってんのか、さっぱり分かんねー!!

でも、何かヤバイのは分かった。

多分もう伝令ミスとか手違いとかいう理由でどうにかなるレベルを超えてる。

クーデター主犯のティエラが実際にスクアーロに刃を向けた事で、彼女はただでは済まなくなった。

ザンザスも作戦中止にしたんだから大人しく震えていればこんなややこしい事にはなんなかったのに。

ティエラもザンザスも大馬鹿者だ。

何で自分から捕まりに行くようなことをするんだよ。

これじゃ、お前らを助けようと走り回ってる俺やスクアーロが馬鹿みたいじゃん!

てか、足速いんだよ!

全然追い着かないじゃん!!

そこかしこに残る戦闘痕と血痕に不安を募らせながら俺は薄暗い地下道を走った。




「正体を現しやがったな、狸ジジイめ!はなから俺にボンゴレくれてやるつもりなんてなかった癖に

 俺をずっと嘲笑っていやがったんだ!!」

「ザンザス、私は・・・」

「黙れ!」




天井の高い地下空洞にザンザスの声が響く。

ようやく追い着いた俺は、怒りに火が付いたザンザスと悲壮感を漂わせて向かい合う九代目を見て、

何だかパズルのピースがはまったような不思議な感覚に陥っていた。

あ、れ・・・?

その答えを探そうとあちこち見渡した俺は、初めて来たはずのこの地下空洞を知ってる気がした。

パチリと音を立てて俺の中のパズルがまた一つ埋まる。

もうほとんど見えている絵に見て見ぬフリをし、小心者の俺は最後のピースに手を伸ばせずにいた。

相当やりあったらしいボロボロの2人が何かを叫び合い、それを俺はフィルター越しに眺めているようだった。

そんなぬるま湯に浸かった感覚から俺を現実に呼び戻したのは、背後で聞こえたドサリという物音だった。

振り返った俺は、ドクンと心臓が飛び跳ねた痛みを感じながら目が見開いていくのを感じた。

怪我だらけで満身創痍のスクアーロが柱に身を預けるようにザンザスを見ている。



・・・・・・・・・ああ、そうか。

道理で見たことあるなと思ったはずだ。

そうだ。

俺は前にこれを見ている。

これは、



 ゆ り か ご  だ



覚醒していく意識の端にレディの声を聞いた気がした。

う、ん。やっぱレディの言った通りだった。

俺が何をしてもゆりかごは起こった。

どんなに俺が回避したくても、俺が何を知っていたとしても、そんなのは関係なかったんだ。

これはもう氷漬けルートだ・・・。

結局、俺は、お前に何も、して、やれなかった。




「ザンザス、」

「黙れ!テメェが止めようが何しようが、ジジイをぶっ殺して俺がボンゴレを手に入れる!」




俺の言葉に被せるように怒声で返したザンザスに思わず眉根を寄せる。

俺がザンザスを止める?

そんなことは有り得ない。

言っただろ?

お前の好きなようにしろって。

ちゃんと最後まで見届けるって。

何か違和感を感じながら探るような視線でザンザスを見つめる俺の前に九代目が背を向けて立っていた。

あぁ、お別れなんだと直感的にそう思った。

背後で俺を呼ぶ声がして、振り返れば傷だらけのスクアーロが這いずるように向かって来ていた。




、御曹司を、たす、けてく、れ」




俺はチラリとザンザスを見てから首を振った。

アイツが俺に助けられて喜ぶはずがない。

もし、原作通りならザンザスは8年後に目覚める。

俺に出来るのはアイツが起きるのを待つことだけだ。

スクアーロは傷付いた顔をしたものの、何となくその理由が分かっているのか口を引き結んだ。

俺は悲しいくらい綺麗な死ぬ気の零地点突破の氷がザンザスの足元からゆっくりと広がっていくのを静かに眺めていた。

息子を悼むように見ている九代目の横を俺は通り過ぎて、ザンザスの元へと足を運ぶ。




「大馬鹿野郎め・・・」

「うるせぇ、俺の仕出かした事の尻拭いは俺がやる」

「・・・ジャッポーネだ」

「あ?」

「俺はお前が目覚めるまで日本で待っててやるから、絶対会いに来い。寝坊は許さないからな」

「ふははは!俺の前でいつも寝こけてんのはの方だろーが」

「・・・ザンザス、最後に面白い物見せてやる」




俺はもう胸まで凍ってきているザンザスに背を向けて、九代目を見た。

久しぶりだろうが、ジジイだろうが、ドン・ボンゴレだろうが、そんなこと知るかよ。

俺は今、めちゃくちゃ怒ってるんだ。

勢いよく走り出した俺はそのまま右の拳を思いっきり老人に叩き込んだ。

すっ飛んだ九代目を見下ろして俺は吐き出すように呟いた。




「ザンザスの代わりに殴っておく」




これくらい当然だろ。

喧嘩両成敗だっての!

背後で笑うザンザスの声を聞きながら俺は殴った手の痛みや、疼くような胸の痛みに必死で耐えた。

そうしないと泣いてしまいそうだから。

ザンザスは俺を呼んだがいっぱいいっぱいの俺は振り返るなんて出来ず、小さく手を上げて返した。

完全にザンザスが凍りつくまで、もうおそらく数秒もないだろう。

そして背後でザンザスが不敵に笑った気がした。




「怨むぜ、親父」




パリンと氷が弾けるような音が聞こえ、全部終わったのだと知った俺はスクアーロの元へ向かった。

うお、コイツ、怪我のせいで殆んど意識ぶっ飛んでる。

・・・ティエラ、強すぎだろ。

それから俺は何とも言えない顔をしている九代目を振り返って改めて久しぶりと笑ってみせた。


* ひとやすみ *
・ぐあー!終わっちゃった!何、このあっさり感!アサリ?ボンゴレだから?(え
 この主人公で困るのが、どうもシリアスがシリアスにならない所なんですよね。
 殴り合いはなし?!氷漬けバッドエンド?!それじゃつまんない!と喧嘩両成敗を謳いながら
 爺さんを遠慮もなく殴った主人公に喜んだ私はやっぱり人道から外れてるんでしょうか?
 ううん!私もも九代目好きだもん!愛の鞭だよ!とか何とか言っちゃう私は
 どうやら相当疲れているようです。笑                                     (09/11/14)