ドリーム小説

「Ciao、!」

「手荒い歓迎だな、レディ」




飛行場に着けば、真っ赤なドレスの予言師が出迎えてくれた。

まさか財布と携帯だけで本当にイタリアに飛ぶとは思ってもみなかった。

だけど現実は俺に優しくなく、上空から見下ろした景色はどう見てもヨーロッパだった。

てか、晩飯どうなったかなぁ・・・。

俺、頼まれたのに豆腐買ってないし、味噌汁の具材がものすごく気掛かりだ。

まぁ、もう昨日の話になっちゃうんだけどさ。


用意されていた車に乗り込むと隣にレディが座り、車は動き出した。

おそらくレディの屋敷に行くのだろうが、全然気が向かない。

てか、早く恭弥に連絡取らないとあとが怖い。

・・・・絶対殴られる。




「思った以上に雲雀家に馴染んだみたいね」

「あぁ。だから早く家に帰してくれ」

「2年は無理よ」




・・・・・・・・・・・・。

はぁッ?!2年って何だよ?!

俺はてっきりすぐ帰れるものだと思っていたのに!

俺が睨むようにレディを見ると足の上で手を組んだレディが目を細めた。




「帰りたきゃ帰るがいいわ。私は何も後悔しないもの」

「何の話だ」

「あんたいくつになった?」

「17」

「じゃあどこぞのボスは16になるのかしら」




どこぞのボス・・・?一体何の話だ?

俺が知ってるボスなんて、ディーノ、九代目、ザンザス、ツナ・・・。

俺はレディの言葉を反芻して、絞り込んだ答えに息を呑んだ。

ザンザスか!!!

確かアイツがボンゴレの血を継いでいないのを知ってしまうのって16歳の時だったはず。




「ゆりかご・・・」




俺の呟きに答えるようにレディは口の端を吊り上げた。

つまりレディの予言では2年の間にこれが起こると言うことだよな。

てか俺にどうしろって言うんだ?

そりゃザンザスを助けたいけどさ、俺、ボンゴレに追われてるらしいし無理だろ?

早く恭弥の所に帰って、母さん手伝って、父さんと話して、風紀委員の奴等と並盛見回って・・・。

並盛に帰りたいと思った俺にレディは手を伸ばし、ポケットからスルリと俺の携帯を引き抜いた。

その時、レディの袖口に付いているルビーのカフスボタンに、あの赤い瞳がチラついた。




「家族に連絡してあげたら?」




・・・・・この人は本当に容赦ないよな。

俺にもっと考える時間をくれてもいいじゃんか。

前もこんな風に予言に踊らされて俺はイタリアを去ることになった。

すでに勝手にコールされてる電話を受け取って俺は大きく溜め息を吐いた。

あー、ホントに、もう!!!




兄さん?今どこにいるの?もうとっくに夕食冷めてるよ』

「恭弥か」

『連絡なしで丸一日帰って来ないなんて何考えてるの?』

「悪い。当分帰れそうにない」

『は?ちょっと何言って・・・、『やあ、父さんだよ』

「・・・父さん、電話奪って恭弥怒ってるだろ」

『羨ましいかい?とりあえず生きてるならそれでいいよ。留学ってことでいいよね』

「悪い。終わればすぐに帰る」

『うん。君のウチはここだからね』

「あぁ」




チクショー!これでいいんだろ?

俺は家族が好きだけど、ザンザスも好きなんだ。

帰ったってどうせ気になるのなんて目に見えてんじゃん。

悩む必要ないって早く気付けよな、俺も!

俺の答えに満足気に笑ったレディを見てから、運転席の執事に声を掛けた。




「ところで味噌汁の具が豆腐から大量のちくわに変更になったらしいんだが、何したんだお前」

「豆腐をお届け出来ないので、様の部屋にパスポートの代わりにちくわを少々」




・・・当分ちくわ生活だとブツブツ文句を言っていた父さんに謝らなきゃだ。

何か、間接的にだけどゴメン。


そうして俺はゆりかご事件を止めるべく、イタリアに残る事を選択した。









***









あ、そうそう。言っとくけど、ゆりかごはが何しても絶対起こるわよ

「・・・・・・・・・・・・は?」




俺の決意はレディの一言であっさり崩れ去った。

じゃあ何で俺イタリアに残んだよー?!

レディの屋敷に着いた途端に知った驚愕の事実に俺は一気にやる気を失った。




「起こるもんは起こるのよ。その中で何かをするもしないもの自由よ」




何なんだよー・・・。

俺がここに連れて来られた意味が全く分からん。

俺が不貞腐れてるのに気付いたレディは向かいの席から、俺の顔を覗き込んで困ったように笑った。




「私がに会いたかった、ってことじゃ残る理由にはならないかしら?」




苦笑しながら呟いたレディに俺は目を数回瞬いた。

何だよそれー・・・、そんな風に言われたら帰るに帰れないじゃん。

あー、もー、俺、絶対この人には勝てないわ・・・。

可愛らしく微笑んだ彼女に俺も苦笑を返した。




「それで充分だ」




嬉しそうに微笑んだレディにうっかり絆されていると、小さなノックが聞こえて執事がカートを押して入って来た。

しょうがねーなー。

ま、ちょっとしたイタリア旅行ってことで、ここで少し生活してみますか。

自由気ままな日々ってのも案外面白そうだしな。




「お茶をご用意いたしましたので、どうぞ」




和やかな雰囲気の中、三人でお茶をするのは何だかすごく癒された。

・・・・・が。

お茶請けにちくわはやっぱよろしくないと俺は思うぞ?


* ひとやすみ *
・しょっぱなからレディといちゃこら。あれー?有り得ないフラグが立ちそうで怖い!笑
 とりあえず、イタリアでの生活が始まります。
 多分、おそらく、もしかしたら、新編は短いと思われます。
 とか言って長くなったらどうしよう。無計画もいい所・・・。(え
 地味に頑張って行きますので、お付き合い下さると光栄です!              (09/09/03)