ドリーム小説

原作キャラと出会うたび、俺は命を縮めている気がする。

カフェを出た後、もう安全だとビアンキと別れようとしたんだけど、また縋り付かれた。

お兄さんといっしょがいい」と可愛い女の子に言われれば、断われねェだろー・・・。

悲しいかな、NOと言えない元日本人。

断じてヘタレだからではない。

ロリコンだからでもない。


そんな事を小さく自分の胸に言い聞かせながら、ビアンキの手を引いて町を歩く。

楽しそうにいろんな物に指を差して笑うビアンキに苦笑しつつも、久々の探索に俺も心躍る。

何だか最近俺に回ってくる仕事が多くてこんな風にブラブラして遊ぶ事がなかったからなぁ。

近頃の父さんは何と言うか、本格的に仕事をしなくなった。

まぁ、いつも通りって言えばそうなんだけどさ。

どことなく、嫌な予感がする。

俺の気にしすぎ、だといいんだが。


ショーウィンドウに張り付いているビアンキの元へ歩いて行って気が付く。

ウィンドウの反射の中に俺達を通りの陰から覗いてる奴がいる。

若い男、それも黒スーツ。

うわーん!見付かってんじゃん!

俺はさり気なくビアンキの手を取り、逃走経路を確認した時、馬鹿な事に石畳に躓いた。

ビアンキを押し倒すようにすっ転んだ瞬間、俺の頭があった場所に銃弾がのめり込む。

ギャー!!ドンパチ始まったー!!

ド派手に割れたショーウィンドウの中にあったデッキを引っ張り出してバリケードを作る。

銃弾の嵐に怖くてビアンキにしがみ付いた。




お兄さん」

「こんな小さな子供を狙うなんて」




信じられんわ!!

俺とビアンキどう見てもいたいけな子供だろうが!

めちゃくちゃ怖いんだよー!!やめろよー!!暴力反対!

現場の緊張感にビアンキも息を呑んで、震えている。

睨むように銃撃してくる奴らに目を向けたら、とんでもない奴が現れた。




「おい、坊主。そのままビアンキ守っとけよ」




銃撃が飛び交う中を悠々と歩いてきた男が俺に声を掛けてきた。

危ないって!コイツ、馬鹿じゃねーの?!

よくよく見れば、さっきショーウィンドウに映ってたあの若い兄ちゃんで、奴の周りに飛んでいる虫に目がいく。

てか、あれは蚊、か?




「無理するなよ。お前らすでに感染済みだ」

「「うわぁ!」」




兄ちゃんがそう言った途端、銃声が今度は一気に悲鳴に変わった。

バタバタと倒れるマフィア達に俺は驚いて、目の前の兄ちゃんを見る。

ま、まさか。




「Drシャマル・・・」

「あぁ?俺を知ってるって事は、やっぱお前こっち側の奴か」




あぁ。やっぱ俺、原作キャラに会うたび、命削ってるよね。

本日二人目の原作キャラが新たなカプセルを掲げて俺を睨んでます。

カッコいいけど、めちゃ怖ェ!!




「ビアンキを返してもらうぜ」

いや!お兄さんの方がいい!

「何でだ、ビアンキちゃん!一緒に暮らしてる俺の方が断然いい男だろうが」

「たすけて、お兄さん!変なおじさんが」

お、おじさん?!




目の前で繰り広げられるコントにどうしていいか分からない。

情報整理してみて思ったんだけどさー・・・




「ビアンキ。お前、家出か・・・?」




俺の腕に縋り付いていたビアンキの肩がビクリと揺れる。

どうやら本当に家出だったらしい。

つまりシャマルは家出娘を探しにきた訳か。




「だってシャマルはきもちが悪いし、みんな隼人、隼人って・・・」




ショックを受けて固まってるDrは放って置いてー。

俺はなるほどと息を吐いた。

ようするに親の愛情を取られたと思ったっていうアレか。

隼人って、間違いなく獄寺のことだよな。

つまり主人公組が生まれたのか。

時間が過ぎるのって早いなぁ。




「ビアンキ、お前が生まれた時もみんな今と同じように喜んで可愛がってくれたはずだ。

 お前が弟を大事にすればみんな喜んでくれるし、その分弟も大きくなる。お前はお姉さんだから分かるだろ?」

「・・・・・うん」




うん。いい子だ。

ビアンキの頭を撫でてやれば、小さく笑い返してくれた。

将来、絶対美人になるよ、この子。




って言ったな。お前、キャバッローネのだな」

「・・・息子って意味ならその通りだ」

「キレ者って噂のがガキだって聞いた時はデマだと思ったが、なるほどな」




だから、どこからその恥ずかしい名前を聞き付けて来るんだよー。

俺はただのだし、キレ者って何よ?

溜め息を吐いた俺にシャマルとビアンキは別れを告げた。

そして何かを思い出したように俺の元に走り来たビアンキが、俺を見上げ手招きする。

腰を低くしたら頬にちゅっと何かが当たった。

んんん・・・?




「こんど会ったらお兄さんのあいじんになってあげる」




・・・・・・は?

頭がその言葉を理解する前に、ビアンキは手を振って走り去った。

あいじん・・・?愛人ー?!

そんなのになったら俺、ロメオの二の舞じゃーん!!

少女毒サソリの背中を震えながら見ていた俺は、次の瞬間、口に布を当てられ背中に何かを押し付けられていた。

ヒッと悲鳴を飲み込んだ直後に俺は黒塗りの車に押し込められた。

これってもしかして誘拐?!

俺、超ピンチー!!!


* ひとやすみ *
 ・またも美少女を陥落させた笑。
  そして、シャマル登場!渋いぜ、保険医!まぁここでは変なおじさん扱いですが。
  さて、気が付けば今度は誘拐。忙しいけどまた一波乱の予感!           (09/07/09)