ドリーム小説
「ゔぉい、。お前のトコにディヴィナトリスがいるんだってなぁ」
「・・・何か言ったか?」
こんにちはー、です。
現在、不眠一週間を越えMAX機嫌が悪うございます。
ザンザスが送って来てくれた睡眠薬の優しさも全然効かず、俺そろそろ限界。
今、赤い物見たくない。星占いとかも嫌だ。あの人の名前なんか真っ平ゴメンだ!
地雷を見事踏ん付けてくれた子鮫に冷ややかな視線を向けると、ディーノが焦ったようにスクアーロを引っ張って行く。
あぁ。弟よ、兄ちゃんを気遣ってくれるのだね。
何て優しい子なんだ!
俺を窺うようにしてから、小声でスクアーロに耳打つ。
「その話は今の兄さんにはタブーなんだ」
「あぁ?」
「
兄さん、レディに惚れちゃってるらしいから」
ちっがーう!!
違うぞ、弟よ!!何だその誤った情報は?!
てかお前ら、こっそり話してるつもりだろうが、全部聞こえてんぞー!!
てか俺どんだけ年上好きだよ?!
そんな事、お前に吹き込んだのは誰だ、コンチクショー!
「ディーノ、誰から聞いた?」
「え、あの、・・・・ロマーリオ」
あんのヒゲメガネが!!あとでシメる!!
とりあえず俺は間違いを訂正しておいた。
おずおずと頷いてくれた弟に溜め息を吐く。
そんな俺にチラリと視線をやったスクアーロがディーノにこっそり呟く。
「ありゃあ、照れ隠しだぁ」
だぁ!!だから全部聞こえんてんだよ、コノヤロー!!
俺は片手で顔を覆ってさめざめと泣いた。
俺の初恋返せー!!
とは言え、俺の目の下の隈は見過ごせないくらい酷い物らしく、ディーノが度々心配そうに聞いてくる。
最近ではスクアーロにまで心配される始末。
「兄さん、俺には何でも言って!」
・・・・・・言える訳ないじゃないか。
お前と父さんが血溜りに倒れてる夢を見るだなんて。
俺はただディーノの頭を撫でるしか出来ず、不満そうな顔をしているのに気付いたけど見ないフリをした。
スクアーロも似たり寄ったりの顔をしていたけど、ディーノより大人な彼は小さく呟いただけだった。
「面倒事なら、さっさと片付けてしまえぇ・・・」
「・・・・あぁ」
チビ二人に心配されて、嫌だ嫌だと言ってられないよな。
本当にすっごく嫌だけど、レディと話をしよう。
俺、頑張る。
・・・・・すっごく頑張る。
***
学校から帰って、俺は真っ直ぐに客室に向った。
もちろん目的はあの赤い人だ。
うう。俺、生きて帰れないかも。俺ん家なのに・・・。
震える手で部屋を叩こうとする前に、「入ってらして」と中から声がした。
バーレーてーるー・・・。
怖い怖い怖い怖いよー!
ゴクリと唾を飲み込んで、俺は扉を開けた。
見慣れている客室のはずなのに、ソファに座るレディの赤だけが異質に見える。
魔術でもかかっているのか、俺の足は吸い寄せられるように彼女の元へと向った。
「案外、来るのが遅かったですわね、」
優雅にティーカップをソーサーに戻したレディはクスリと笑いを漏らして隈が酷いと呟いた。
一体誰のせいだと思ってんだよ、コノヤロー。
怖くても思うだけはタダ。
「その名前は好きじゃない」
「では、とお呼びしましょう」
「・・・・俺の言いたい事は分かってるんだろ?」
「あら、全部見えてる訳ではないのですよ?」
俺で遊んでいるかのように喋るレディにイライラする。
同時に話せば話すほど、冷や汗が流れてきた。
なぜだか、この先を聞けば後戻りが出来なくなるような、変な感覚に包まれブルリと背筋が震える。
変な緊張感から早く解放されたくて、俺は先を促すように彼女に視線を向けた。
「そうね。このままでは私も持ちそうに無い」
震えるように大きな溜め息を吐いたレディの口調が急に変わった。
訳が分からぬまま、彼女は赤い帽子を脱いで黒い髪を晒した。
驚いたのは彼女の顔に赤い目隠し。
帽子で顔が見えないと思っていたが、まさか布で目を隠していたとは・・・。
この人、マジで危険な人かも・・・。
「はじめまして、過去ある今人よ。『家庭教師、沢田綱吉、ゆりかご、並盛、跳ね馬、』に聞き覚えは?」
い、ま、この人、なんて言った・・・?
何でまだ起こってないソレを知ってるんだ?!
動揺と同時に、俺をずっと苦しめてきた胸の靄が一気に晴れた気がした。
妙な確信があった。
この人は、俺と同じ・・・異世界人、だ。
「私は佐々木凛珂。まぁ、この名はこちらに来て捨てたけどね」
目隠しを外した彼女の瞳は黒。
その顔は見慣れていたはずの日本人顔で俺は驚愕に驚愕を重ねて、ただ突っ立っている事しか出来なかった。
* ひとやすみ *
・レディはとんでもない人でした。
彼女はこの先の進展のため何度も出てきます。オリキャラ飛び出てすいません!
少々勘違いから離れる場面、シリアスに入る部分が多くなりますが、よろしければお付き合いを!(09/07/03)