ドリーム小説

俺には女神のような嫁と天使のような息子が二人いる。

中でも長男のはまだ十にも満たないのに、キャバッローネで遺憾なく力を発揮している。

三歳でファミリー入りした時に反対したジジ共なんか今じゃ息子に骨抜き。

俺じゃなくに採決を取りに行くのはどういう事だ?!


ゴホン。

話が逸れた。

とにかくは頭が良く、それでいてとんでもない身体能力を持ち、俺に似てハンサムで、弟思いの可愛い奴なのだ。

そんな自慢の息子の事をボンゴレ九世[ノーノ]に話せば、是非とも会いたいと言うので

俺は九世[ノーノ]を引き会わせる事にした。






***





九世[ノーノ]との話が済み、温室にいたを迎えに行って驚いた。

そこにはあの気難しいザンザスもいたのだ。

さらに驚く事には金の瞳を優しく細めて、ザンザスに別れの言葉を贈った。




「お前ならすぐに出来るだろう」




珍しいその表情と俺には分からない言葉に目を瞬かせながら、俺達はボンゴレをあとにした。


自宅へと向う車の中、チラリと見たはただジッと窓の外を眺めていた。

一体、ウチの息子はあのザンザスと何を話していたのだろう。

完璧ながらも口数の少ないと、憤怒のザンザス。

共通点は・・・・・男前?

俺は首を捻りながら、隣の息子に声を掛けた。




「ザンザスと会ったようだが、どうだった?」




ゆっくりと振り返った息子は質問の意図を深く吟味するようにたっぷりと時間を空けた。

そしていつものように小さく吐息混じりに答える。




「中々に可愛い奴だった」




あれが可愛い?!

うっかり息子の美的センスを疑ってしまったが、あんな傍若無人を可愛いと言えるの懐の大きさにビックリだ。

というか、むしろ可愛いのはお前だぞ?!

心に何とも言えない折り合いをつけ、のボンゴレデビューを祝う事にした。




「楽しかったようだな。ザンザスに礼をしなければならないかな」

「何か贈るならあれがいい」

「何だ?」




楽しそうに金色を瞬かせたが間髪入れずに答えた物が気になる。

あのザンザスが欲しい物がには分かるのだろうか。

期待を込めて息子を見た俺は答えを聞いて固まった。




「殺虫剤」

「は?」




殺虫剤とはあの虫を退治するというあれか?

何でザンザスに殺虫剤?!

俺、益々息子のセンスが分からなくなってきた・・・。

眉間に皺を寄せてを見ると、口の端を上げていた。




「陰に隠れていたが、虫がたくさんいた。アイツも鬱陶しがっていたから」




俺はその言葉にザンザスの地位を煙たがっている奴らがいるという話をふと思い出した。

まさか虫とはザンザスを引き摺り下ろそうとしている刺客の事なのか?

九世[ノーノ]は一応ザンザスに護衛をつけてるようだが、

の口振りからすると、どうやら守備に穴があるようだ。

俺は動揺しながらもに「手配しておく」とだけ伝えて深く息を吐く。


全く、何て息子だ。

天才だ天才だと言ってきたが、こうまで鋭いと返って心配になるものだ。

強すぎる力は反発をも呼びかねない。


先程まで話していた九世[ノーノ]との会話を思い出して俺は隠す事なく眉間に皺を寄せた。







***






九世[ノーノ]の部屋を出て行った後、俺は彼に詰め寄った。

それは全て九世[ノーノ]の会話に起きた出来事のせいだ。




「あれはどういう事です!?に殺気を向けるなんて!」




手を組み、俯いている九世[ノーノ]は俺と目を合わさない。

彼は小さく息を吐き、憂い顔でようやく顔を上げた。




「君が自慢するのが分かる。君は別格だ。生まれながらのオーラと知性を秘めている。さすが。と呼ばれるだけある」

「それがなぜ・・」

「彼は危険だ」




九世[ノーノ]の言葉に俺は息を呑んだ。

彼の目にただ真っ直ぐ強い意思が燃え盛っていたからだ。

それでも引き下がる訳にはいかない俺は、しっかりと彼を見据えて話の続きを促す。




「ザンザスを息子とする私が言える事ではないが、君はその才能を発揮出来る地位に着く事が出来る子だ。

 キャバッローネ十世となれば間違いなく有能なボスになるに違いない。だが、彼は出来すぎる。出来すぎるんだよ」




クシャリと顔を歪めた九世[ノーノ]の瞳がそこで初めて揺らいだ。

彼はが“出来すぎる”と言った。

それは分からなくもないが、一体何をそんなに不安がっているのか。




「まだ九歳であの風格。彼が次期ボスに相応しいとも思う。

 だが同時に、彼がボスになれば間違いなく・・・・・・キャバッローネは終わる気が、するのだよ」




ブラッド・オブ・ボンゴレを持つ九世[ノーノ]の言葉は俺に強い揺さ振りを掛けた。

を悪く言われ腹が立っているというのに、俺は何も言い返せない。

不吉な言葉は俺にファミリーの好からぬ未来を想像させた。

俺は彼から目を逸らし「は自分の息子だ」とだけ返したが、その言葉に覇気はなかった。







俺は九世[ノーノ]に言われた事を振り払うように首を振り、隣に座るを見た。

ディーノは泣き虫だから俺達を泣きながら待ってるかもしれないね、と薄く笑って言うが破壊者なはずがない。

俺はの頭を撫でて、早く帰ろうなと呟いて九世[ノーノ]に言われた事全てに蓋をした。


* ひとやすみ *
 ・連続で他人目線で申し訳ない!
  番外でもいい感じなんですが、どうしても本編に入れたくて無理やり。
  てか父ちゃん、ボンゴレデビューって・・・・。笑             (09/06/22)