ドリーム小説

九代目の思惑を探るため家光率いる門外顧問機関CEDEFは急きょイタリアに飛んだ。

真実を知るために九代目が滞在中の城へ特攻を仕掛ける形で家光達は内部へと突入。

しかしボンゴレ側の激しい抵抗に遭い、門外顧問のアルコバレーノ、ラル・ミルチは一緒にいたはずの家光を見失った。

ラル・ミルチは別行動中の同じく部下であるオレガノとターメリックと合流し、

情報を探りながら家光の退路を確保するべく動いていた。




「そっちはどうだ、オレガノ!」

「ダメ!誰もいないわ」

「こっちもちがうな」




まるで迷宮のような構造の城に悪戦苦闘しながら、三人は辺りを必死に捜索しながら進む。

これが無茶な特攻だということは誰もが分かっていた。

だからこそ短期集中で、時間との闘いになる。

だが、予定の時間になってもボスである家光が戻らない。

どこで油を売っているのかとラル・ミルチが零す中、オレガノが怪しげな扉を見付けた。

電子ロックを解除して開けた先には奇妙な光景が広がっていた。




「何なの、これは・・・」

「塗りつぶしてはいるが、こいつは旧イタリア軍の兵器に関するレポートだな」

「軍?!」




ターメリックが資料を見て呟いた言葉にラル・ミルチとオレガノは顔を顰めた。

一体何のためにと首を傾げた二人に、軍が隠蔽しようとした研究をマフィアが買い取ったという噂話があったと

引き攣った表情でターメリックが言う。

そんなものがボンゴレの城の地下にある。

とてもじゃないが良い想像が出来ず、嫌な空気が流れる中、追い打ちを掛けるようにラル・ミルチが声を上げた。




「どうやらここで作っていた兵器ってのはヴァリアーに届けられたようだぜ・・・」

「なに!」

「何を考えているの?九代目は・・・」




驚愕と言うより困惑の方が強いのか三人は愕然としていた。

門外顧問にとってハーフボンゴレリングをヴァリアーに狙われ、仲間のバジルを痛めつけられた記憶は新しい。

トリッキーなヴァリアーにこんな凶悪な兵器を与えるなど、正気の沙汰とは思えなかった。




「こんなものを二体も何に使おうというの?!」










***










「いいかてめーら!!何が何でも勝つぜ!!」

「おい何言ってんだ?戦うのヒバリだぜ?」

「お前がいきりたってどーするのだ?」

「んなこたわーってんだよ!!十代目はオレらを信頼して留守にしてんだ。

 オレらの目の前で黒星を喫するわけにはいかねーだろーが!!」




夜の並盛中で、似合わずも隼人が熱く語る。

その様子に首を傾げていた武と了平だったが、話を聞いてみるとやはり綱吉絡みだったようで小さく笑った。

滾るような熱い気持ちを真っ直ぐ叫ぶ隼人を武は笑いつつも、自分も満更ではないなと笑い声を上げた。

そこによく分かっていないながらも、テンションが上がってきた了平が加わり、

若い綱吉の守護者達は俄然やる気に燃えていた。




「君達・・・何の群れ?」




その空気を割るように今夜の主役である恭弥が悠々と現れた。

恭弥の言葉にいつもの通り三者三様の言葉を返したが、恭弥は全く聞いてないようで視線を逸らした。




「ふうん・・・、目障りだ。消えないと殺すよ」

「何だその物言いは!!極限にプンスカだぞ!!」

「まーまー落ち着けって」




キレる了平と隼人を宥めながらも、武はどこかいつもと違って淡々としている恭弥に引っかかりを覚える。

恭弥は言葉は冷めているが、良く言えばいつも自分の欲望に全力で素直だ。

悪く言えばただの我が侭放題の自由人である。

その恭弥が目障りだと言いつつ、武達を排除もせず心ここに在らずという風体。

これを不審と言わずに何と言う。

その時、恭弥の背後で砂を踏み潰す大きな音が立った。

視線を向けた恭弥はそこに現れたそれに口端を上げた。




「そうか・・・、あれを、咬み殺せばいいんだ」




恭弥の声がグッと低くなり、その冷え切った空気に三人は震えた。

――ヒバリがマジギレしてる・・・。

直視すれば凍ってしまうほど冷たく鋭い目をしている恭弥が見ているのは完全に背後に立つモスカではなく、

その傍らにいただった。

獰猛な獣のような笑みを見せた恭弥に、三人はようやく覚る。

という強敵を咬み殺すために、恭弥は息を潜めて牙を研いでいたのだと。

恭弥と、そして聳え立つモスカの激しい睨み合いに、三人は息を呑んで見守るしかなかった。


* ひとやすみ *
・今回は珍しくほぼ原作に沿って書きました。さあ、いよいよですよ!
 この辺りはどこを拾って捨てるのかかなり迷いましたが、いかがだったでしょうか。
 ちなみにタイトルの意味は上昇気流。準備はいいかい?ってトコですね!笑          (12/08/15)