ドリーム小説

「君の敗因はただ一つ。僕が相手だったことです」




圧倒的だった・・・。

霧の争奪戦が始まり、守護者として現れたクローム髑髏という女の子がピンチに陥ると、

憑依かそうでないかは分からないけど、六道骸が現れた。

マーモンと骸の戦いは現実離れしていて、とにかく圧倒的だった。

負けたマーモンが消えて、残された骸はどこか楽しそうに不機嫌なザンザスを見た。




「まったく君はマフィアの闇そのものですね、ザンザス。君達の考えている恐ろしい企てには僕すら畏怖の念を感じますよ」

「・・・・・」

「特には読めない分殊更。なにその話に首をつっこむつもりはありませんよ。僕はいい人間ではありませんからね」




一体何を言ってるんだろう。

骸の言ってることの半分も俺には分からなかったけど、あんまりいい話じゃなさそうだ。

ザンザスが鋭い目付きで骸を睨み付ける中、骸は物怖じもせず愉しそうに笑った。

ザンザスに背を向けてこちらに歩いて来ていた骸は途中で立ち止って振り返った。




「ところで、そろそろ出て来てはいかがですか、?」

「はぁ?は留守番でここにいないっつーの」




骸の意味不明な発言にベルフェゴールが怪訝そうに反論した。

骸の言葉で皆がキョロキョロと体育館を見渡す。

確かにさんはこの場にいない。

でも、この感じ・・・。

俺が考え込んでいる間に、骸は何か納得したようで目を閉じて笑った。




「・・・そうですか。どうやらの僕の勘違いのようですね」




くふふふと笑い声を漏らした骸は、そのまま真っ直ぐに俺の方へ歩いて来て疲れた顔を見せた。

いくら骸でもやっぱりあの戦いは無茶してたんだ。

この娘を、と呟いた骸はそのまま倒れ込んだが、倒れた身体はいつの間にかクロームに戻っていた。

倒れた彼女を放置して行こうとする城島犬と柿本千種は寂しそうな顔で通り過ぎた。




「そいつは骸さんじゃねーからな」




その言葉に不意に骸が拘束されてるビジョンを思い出した。

そうだ・・・、骸は今、寒くて真っ暗な・・・




「同情すんなよ。お前は骸のやったことを忘れちゃならねーんだ」




心を読んだようなタイミングで、リボーンが話しかけてきてドキリとした。

確かに黒曜ランドでの戦いは、酷いものだった。

人を人だと思わない骸のやり方はいろんな人を傷付け、苦しめた。

だけど、さっき頭痛が見せた骸の映像は、仲間のために自分を犠牲にしていた。

一体どっちが本当の姿なんだろう?

全く違う骸の姿に、俺は骸の今在る状況が罰に相応しいものなのか、分からなかった。




さんもいるらしーけど、この女エサにしても出て来てくれそーもないし、柿ピー帰んろ」

「・・・うん」




迷いなく出て行った二人の背中に、隣に居た獄寺君が悪態を吐く。

相変わらずガラの悪い物言いに、俺は苦笑して宥めた。




「ヤツラの口車に乗ってはいけませんよ、十代目!のことだって、どこにもいねーのに適当なこと言いやがって」

さんのことは本当だと思うよ」

「え?!」

「え?」




ビックリした表情で見てくる獄寺君に、何でかそう言った俺も驚いた。

気が付けばそんなことを口走っていて、そんな自分に困惑する。

でも、骸の言ったあれが嘘とは思えないし、この感覚は多分さんだと思う。

さんは一体今どこにいるんだろう・・・?

俺の疑問を余所に、最終カードである雲の守護者戦が高々と切られた。









***








ガキン・・・ッ!!

甲高い金属音を立てたトンファーは遠くへ吹き飛んだ。

グォングォンと不気味な音を立てるゴーラ・モスカの見下ろす先には、

ボロボロになった男が地に膝をついていた。




「ヒ・・・ヒバリさん!!」




想像すら出来なかったその姿に酷く焦りながら俺は叫んでいた。

だけど何でか身体が全く動かない。

見ているしか出来ない状況にイライラする。

戦いの最中だというのに、静まり返った戦場に肌が粟立った。

モスカの起動音だけがやけに耳につく。

あちこち傷だらけで座り込んで動けないヒバリさんに、モスカが武器である指先を向けた。




「殺れ」




するとどこからともなくザンザスの声が聞こえてきて、俺は今から起こることを予想して血の気が引いた。

ニタリと笑うザンザスに呼応するように、モスカの起動音が徐々に間隔を狭めて高音に変わっていく。

や・・・やめろ・・・!!




「やめろーーーーー!!!」




ガトリングの音と共に叫んだ俺は、あまりの状況に飛び起きた。

冷や汗で身体を冷やしながらも、ドクドクと煩い心臓を抑えて辺りを見渡した。

昨夜と変わらない汚い部屋、掛けられた布団、見慣れたパジャマ。




「な・・・なんて夢だよ・・・」




ガックリと肩を落とした俺は深く溜め息を吐いた。

リボーンがおかしなことを言うから変な夢を見たけど、考えてみればあのヒバリさんが負けるはずがない。

・・・だけど、夢に見るくらいだし、何だか気になる!!

結局二度寝することも出来ず、俺はランボが入院している廃院へと急いだ。

入り口でクロームって子に会った後、奥へと進むとどこか焦ったようなディーノさんの声が聞こえてきた。

何だか声のトーンが真剣みを帯びていて、何となくノック出来なかった。




「どうだロマーリオ」

「変化はねーな・・・。どうやらあの医者達は相当な腕の持ち主だったらしいぜ。これ以上ここでは現状維持しか・・・」

「わーってる!!」




いつもと違うディーノさんの荒っぽい声に驚いた。

忙しいのかな・・・?

こっそり中を覗くと、一瞬ディーノさんは怖い顔をしたけど、すぐに笑ってわざわざ外に出て来てくれた。

ほんの少し見たけど、あの部屋の中は部下の人達が武器を持ってウロウロしてたから助かった。




「どーせオレから恭弥の調子でも聞き出そうってんだろ?」

「い゙っ」




バレてる・・・!

ハハハと笑ってディーノさんはある部屋へと案内してくれた。

そこにはグースカ眠っている獄寺君と山本、お兄さんの姿があった。

何だ・・・、みんなも俺と同じ気持ちだったんだ・・・。




「恭弥は完璧に仕上がってるぜ。家庭教師としての贔屓目なしにも強ぇぜ、あいつは」




ディーノさんの自信気な表情に安心した途端、眠気が来たけどそれは許されなかった。

窓から忍者の格好のリボーンが現れて、今日中に死ぬ気の零地点突破を完成させろと言う。




「今日の勝負で決まるんだぞ!!もう俺が修行する意味なんてないんじゃ・・・」

「最終決戦だからこそだぞ。敵は強ぇぞ。向こうにはもいる。おまえもしもの時どーすんだ?」




もしも・・・?

何だか不安が残る物言いに丸め込まれて、俺は結局修行をすることになった。


* ひとやすみ *
・原作通りの流れのようで、ちょいちょい出てくる兄様の名前に何だか書いてて笑った。
 ごめん、クローム。君の頑張りを綱吉の怪しい日本語でさらりと流してしまったよ・・・。
 さて、骸の発言の真意はどこに?ツナ様の超直感は当てになるのか?最後まで突っ走りますよ!!    (12/07/16)