ドリーム小説
ツナさんは最近何だか怖い顔をしてますし、皆さん修行をしてるようでハルが入り込んでいい雰囲気じゃありません。
危ないことじゃないといいんですけど・・・。
そんなことを考えている時、誰かに声を掛けられた気がして振り返るとものすごい綺麗な女の人が立っていました。
はわー・・・、抜群のスタイルです・・・。
ハッ・・・!何かハルに用があったんじゃ?!全然聞いてなかったです!
首を傾げる外人さんに困ったハルはとりあえず挨拶してみたのですが・・・、
「え?ええ??Nice to meet you, too?え?あれ?」
・・・・うー、どうやらハルは何か間違えたようです。
女の人は困ってしまったようで、助けを求めるように後ろを振り返りました。
誰か一緒なのかと女の人の背後を覗き見て固まりました。
「あー、連れがすまないな。・・・悪いが、彼女に似合いそうな服を探してるんだが、いい店を知らないか?」
近付いて来た男の人にハルは何も答えられませんでした。
アングリと口を開いて男の人を見ていると、ハルを心配して女の人が声を掛けてきてようやく我に帰りました。
ハッ!これ以上被害を受けないよう対策を採らねば!
慌てて目を押さえると二人が困惑の声を上げました。
「ちょっと、どうしたの?」
「・・・うー、目が」
「「 目が? 」」
「美男子オーラに目が溶けてしまいますぅー!!」
「・・・・・」
残像だけでも眩しいんですと赤くなってる顔を押さえたまま呟くと、女の人が声を上げて笑い始めた。
あまりの豪快さに驚きましたが、そのおかげで打ち解けることが出来ました。
「あなた素直ね、最高!この辺りに詳しくないからショッピングに付き合って欲しいんだけど、どうかしら?」
困っている人は放っておけません!
喜んで返事を返してから、ちらりと男の人を見ると疲れたような顔でしたが「助かる」と言ってくれました。
まだまだ眩しいですが、少しだけ身近に感じた瞬間でした。
***
ティエラさんとさんはとても日本語がお上手で、明るい性格のティエラさんとはすぐに仲良しになりました。
さんも綺麗すぎて近寄り難い雰囲気があったのですが、すっごくすっごく優しいことが判明しました!
何件かお店を回ったのですが、絶対つまらないはずなのにさんは文句一つ言わず、
それどころかティエラさんにアドバイスしたり、荷物を持ったりと素敵ポイントを着実に貯めています!
「はぅ・・・、さん、とっても素敵な方ですね。理想の男性像そのものですー」
「あら?ハルもに惚れちゃった?」
「と、とんでもありません!ハルはツナさん一筋です!それにティエラさんがいるのにそんな・・・」
店の外で腕を組んで待っているさんを盗み見て、そう言うとティエラさんは服から視線を上げて苦笑した。
「とはそんな甘い関係じゃないわ」
「はひ?!恋人じゃないんですか?!」
「違う違う。は私のご主人様よ」
し、衝撃の事実です・・・!!
どうやらハルの見込みが甘かったようです。
まさかお二人がすでに夫婦だったとは思いませんでした!!
「ご一緒になられてどれくらいなんですか?」
「んー、八年くらいかしら?懐かしいわね・・・。がいなきゃ今の私はいないわ」
「・・・幸せなんですね」
嬉しそうに満面の笑みでハルを見たティエラさんにハルは感動しました!
理想の夫婦です!!
いつかハルもツナさんとこんな風になりたいです!!
「ねぇ、ところで、ツナさんってハルの恋人かしら?」
「うえぇ?!」
意地悪そうに笑うティエラさんに突かれ、今度はハルが根掘り葉掘り話すはめになりました。
お店を出た時にはゲッソリしていて、さんに心配されたくらいです。
でも、やっぱり恋の話は楽しいです!
***
「ねぇ、ハル。今日のお礼に夕食をご馳走したいんだけど、やっぱりご両親は心配なさるかしら?」
「はひ?連絡すれば大丈夫ですけど、大したことしてないのでお礼なんていいですよ」
「なら大丈夫ね!」
「え?」
「・・・悪いが諦めろ」
ハルもすっかりお二人が大好きになっていたので嬉しかったですが、
ティエラさんはハルの腕を掴んでなぜかブティックへと駆け込みました。
え?ええ?ご飯じゃなかったんですか?!
高級そうなお店に入ると店員さんが二人近寄ってきて、尻込みするハルを余所にティエラさんはにこやかに言いました。
「彼女と私、それから彼の服を一式揃えてちょうだい」
「えぇー!!」
ハルの悲鳴にも動揺せず、店員さんは頭を下げて店内に散っていく。
こんな高そうな服、ハルは買えません!
ティエラさんに泣き付くとキョトンとして、見たことがあるような黒っぽいカードをハルに見せた。
「やーね。中学生に払わせる訳ないでしょ?のカードがあるから心配しないの」
「え?!何かそれも違うような・・・」
「ほら、時間ないから、さくさく着替える!」
「は、はいー!」
何だか納得いかなかったですが、勢いに飲まれて店員さんに薦められた服を着ることになりました。
若葉色の七分袖のワンピースに薄いレースがあちこちに付けられ、靴も光沢のある可愛らしいパンプス。
それだけでなく、アクセサリーや髪留めまで全て揃えられた。
・・・どれにも値札がないんですけど、一体おいくらなんでしょう?
フルリと肩を震わせてカーテンの外に出ると、すでに着替えて準備を整えたお二人が立っていた。
「やっぱり!ハルはパステルカラーがよく似合うわ!」
「お二人とも、チャイナ服・・・」
「あらやだ。ハルも同じがよかった?ワンピースならどこでも着れるかと思って選んだんだけど」
「・・・目が、」
「「 目が? 」」
「
お二人とも眩しすぎて目が溶けそうですぅー!!」
顔を押さえるハルの隣で、なぜか店員さんがハイタッチしていました。
お店を出て、セクシーボディラインを惜しげもなく晒したティエラさんと、
ゆったりとしたチャイナ服を着こなすさんに連れられて高級中華料理屋さんに向かいました。
個室にまた驚いたり、お二人が夫婦じゃなかったことが発覚したりしましたが、楽しい時間を過ごしました。
少し早い夕食をお二人と食べて、ふわふわした気持ちのまま家へと送っていただきました。
ハルはこのシンデレラデーを一生忘れないでしょう。
今度京子ちゃんに話そうっと。
何だか不思議で素敵な一日でした!
* ひとやすみ *
・ハル視点難しい・・・!書いてて微笑ましいのと同時に馬鹿っぽいなと笑ってしまった。苦笑
ヒーローは私の手を離れてなぜか勝手にいろんな勘違いが発生してしまうから不思議です。笑
時々私も思いもよらない展開になってたりするけど、だからこそ面白いというか今後も後悔のないよう
楽しんで書いていきたいと思います。ちょっと真面目に語りたくなった今日この頃。笑 (11/05/03)