ドリーム小説

そんなこんなで非常に不本意だが、九代目一味になりました。

ちなみにザンザスとスクアーロは俺と運命共同体。

今回あまりに二人が大人しかったのでどうして素直に従ったのかと聞くと、

片や「暴れ回ってやろうとも思ったが、が動くならそれを見届けてみるのも面白れぇと思った」と言い、

片や「と御曹司が決めたことならそれでいい。それにテメェの尻はテメェで拭かねぇとなぁ!」と言った。

そして二人とも最後に恐ろしい顔をして「だが、ジジイはいつか絶対殺す!」と豪語した。

そんなお前らに俺も清き一票。

まぁ、とにかく俺達はたった一つの任務を九代目に言い含められて解放された。

まさか九代目が無茶をして成し遂げたかったことがコレとは・・・。




「お前達は知ってたのか?九代目がしようとしてたこと」

「知らないわよ。アイツらがすることなんてどうでもいいもの」

「私達にとって重要なのはあの赤毛に従うことですから」

「どう言う意味だ?」

「これ以上はお答え出来かねます。様、動かれると採寸出来ません」




メジャーでグルグル巻にされ、針を刺されていた俺は執事の呆気ないまでの拒絶に口を閉じる。

思わず近くで俺の採寸を眺めていたティエラに視線をやると肩を竦められた。

そう、何と執事とティエラが俺の傍に帰ってきたのだ。

・・・・・まぁ、俺の監視のため、なんだけど。

あんまり二人の態度が以前と変わらないので突っ込んで聞いてみたんだけど、やっぱ教えてくれなかった。

二人が重要視してる内容があまりにピンポイントの癖に大雑把だから、裏に何かあるのだろうけどそれが見えてこない。




「採寸は終わったかしら〜?仕立てはアタシに任せてちょうだいね、!」

「・・・何もルッスーリアが作らなくてもいいだろ」

「ダメよ!の隊服だものアタシのセンスを使わずどうするの!」




クネクネと腰を躍らせて部屋に飛び込んできたルッスーリアの楽しそうな顔を見て諦めた。

こりゃ、ダメだ・・・。

俺は今、ヴァリアーが滞在してる並盛のホテルにいる。

任務の都合上、今後ヴァリアーと一緒に行動するためであり、運命共同体の二人と出来るだけ近い方が良かったからだ。

リング探しを隠れ蓑に日本に渡ってきたヴァリアーだったが、いつの間にかボス探しに変わっており、

俺達が解放されて帰って来た時にはちょっとした騒ぎになっていた。

まぁ、俺達、一日半、軟禁されてたし。

で、隊服云々はヴァリアーと行動するという話の延長線上で出てきたんだが、

なぜか女性陣(オカマ含む)がノリノリで俺は置いてけぼりを食らっている。

誰か、助けて・・・。






***






「ハーフボンゴレリングねぇ〜。何でまたボスは急にそんなこと言い出したのかしら?」

「元々そういう命だったからでしょ?別にどうでもいいじゃんそんなこと。も帰って来たんだし」

「んもう!だから余計気になるんじゃない!」

「うっせぇぞ!テメェら、さっさとマーモン探しやがれぇ!」

「大声出すなよ。大体スクアーロがちゃんとリング持ち帰んなかったからこうなったんじゃん?」

「あ゙ぁん?!」




夜の並盛を見下ろしながら、背後で騒ぐベルとルッスーリア、スクアーロの話を俺は黙って聞いていた。

・・・全部まる聞こえだっつーの。

俺はこっそり隣にいる噂のボスを窺う。

ザンザスが戻って一番最初にしたことは俺をヴァリアーに臨時加入させ、本格的にリング探しを始めたことだった。

元々リング探しはスクアーロを探すための隠れ蓑で、ザンザスは九代目の命を遂行する気など更々なかったはずなのに

突然意見を180度変えたので皆不思議でならないのだろう。




「・・・その隊服、にしか着れねぇな」

「ルッスーリアが急遽作ってくれたんだが、変か?」

「いや。ただ、派手だな」




クツクツ笑うザンザスに俺は自分を見下ろして頬を掻いた。

黒いライダースジャケットとロングブーツ、インナーとぴったりしたパンツはなぜか白。

口で表せば普通なんだが、着てみると何だか派手なんだよなー。

こうして闇夜に紛れれば、銀色のヴァリアーエンブレムと足元の白いホルスターが異様に目立つ。

皆がすごく褒めてくれるから着てきたんだけど・・・。

ううーんと唸っていると、忽然とマーモンが俺達の前に姿を現した。




「リング所持者を発見したよ。今、レヴィが追跡してる。どうやら他の所持者も近くにいるみたいだよ」

「行くぞ」




マーモンの報告に返事も聞かず飛び出したザンザスの後を皆がすかさず追う。

残された俺は街の灯りを見下ろしながら闇夜を移動する彼らの背中を見てしみじみ思った。




「普通の人間はな、ビルからビルへ飛び移らず、道路ってもんを使うんだぜ・・・?」




まぁ、俺も大概普通から外れてきてるとは思うけどな。

でも、絶対アイツらよりマシ!

深々と溜め息を吐いた俺は奴らを追いかけるために隣のビルへと飛び移った。

そして追いついた先ではすでに前哨戦が始まっているようだった。

おーおー、原作通りヴァリアーも綱吉側も門外顧問も勢揃いしてらー。

殺気ギンギンで睨み合いを続けるザンザスと家光に俺は肩を竦めて姿を現した。




「おいおい、そんなに殺気立つなよ」

「「「「 さん?! 」」」」




驚愕の視線をいくつも向けられて、かなり居心地が悪いけどここは我慢だ。

うぅ、リボーンと家光の殺気がハンパねぇよーぅ・・・。

逃げたい気持ちを押し殺していると綱吉が無邪気な声で話し掛けてきた。




「何でさんがこんな所に?!」

「バカツナ。よく見ろ、の格好を」

「え、・・・あ!!あれはヴァリアーの!!」




武や隼人、了平が何か叫んでいるのを聞きながら、全力で睨んでくる家光を見据える。

つーか、怖すぎるっつーの!もう逃げたい!

でも、これが九代目からの任務だから仕方ない。

九代目はリング争奪戦を起こすため、俺とザンザス、スクアーロに綱吉達からリングを奪えと唯一つ命じたのだ。

つまり、ボンゴレの、綱吉の成長のために俺達は当て馬にされた訳だ。

正直、こんな面倒なことやりたくないのだが、九代目に弱味を握られているので全力で演技するしかない。

まぁ、ヴァリアー側は全部演技(それを知ってるのは俺達三人だけ)だけど、

多分・・・、ザンザスとスクアーロは本気で綱吉達を消そうと思ってる、かも・・・?

九代目の思い通りにさせて堪るか、と何となくオーラがそう言ってる気がする。

完璧、八つ当たりだよねー。

悪役ヴァリアーを演じていた俺はふとリボーンの視線に気付いた。




、今度こそ敵になるのか?」

「・・・ボンゴレリングをお前達にやる訳にはいかない。十代目の座は明け渡してもらう」




こうして俺達は背後で九代目に操られながら、原作通りリング争奪戦を行うことになったのだった。

ザンザスはもちろん十代目の椅子など狙ってなどいないが、全力で演技をしている。

いや、最早、俺達の目的はジジイをぎゃふんと言わせたいの一つのみ!!

俺達は怒りゲージだけを募らせて、明日からの争奪戦に挑む!!


* ひとやすみ *
・そんな訳で結局リング争奪戦へ突入です!!
 兄様は全力で演技中ですが、周りから見たら普段通りなのでやっぱり悪い人。笑
 この場にいない彼らがこれを知ったらどうなるのか・・・。怖い・・・!
 これにてかむい編は終了!次が最終予定なので最後までヒーローをよろしくお願いします!  (11/02/10)