ドリーム小説
「これもお前らの仕業かぁ?」
ギランギランに目を光らせたスクアーロに、いじめっ子達は怯えながらも勢いよく首を横に振った。
うんうん。君達の気持ちがよーく分かる。
子鮫怖いよね。
厳重なセキュリティであるはずの学校に、どう見ても堅気じゃない奴らが俺達を囲んでいた。
これはピンチってやつでは無いだろうか?
訓練ではなく本気で俺達を狙いに来ているようで、物凄い迫力がある。
マジで怖いんですけれども、ビビッて腰が抜けました。
動けません!!!
「ゔおぉぉい、、どうするんだぁ?」
ど、どうするも何も、俺、どうも出来ませんて!
泣いてる場合じゃないと悟ったらしいディーノも涙を拭いて俺の答えを待っている。
うぅ。そんな二人して期待されても・・・。
そういや、スクアーロもディーノも俺が強いって何か勘違いしてたっけ?
俺は泣きたい気持ちで情けなくも投げやりに答えた。
「スクアーロ、ディーノ。お前らに任せる」
だってそれしかないじゃーん!!
俺、激弱だし、腰抜けて動けないし、お前らの方が強いんだもん!
俺の答えを聞いて驚いていた二人は、口の端を吊り上げてすぐに臨戦態勢をとった。
え?何がそんなに嬉しいのさ、二人とも。
「一瞬だぁ。俺がまとめてオロしてやる!が出るまでもねェ」
「兄さんはそこで見てて。期待に応えてみせる!」
ギラギラした目で敵を睨む二人は楽しそうに剣を構えた。
何だかよく分からないけど、俺は何もしなくていいらしい。
俺は二人に視線で返して、大人しく守られる事にした。
***
す、すっげー・・・。
ここは武器庫で、敵は得物に苦労はしない。
だけどそれ以上にスクアーロとディーノは強くて、大人をバッタバッタと切り倒していく。
さすがは原作組だと、俺はいじめっ子達と一緒に肩を寄せ合って傍観していた。
だからだろう。
今まで動かなかった敵の司令塔らしき奴が、ディーノの背後から忍び寄っていたのに気付いたのは。
全く気付いていない様子のディーノに俺は思わず、近くに落ちていた鞭を拾って振り上げた。
ソイツは難なくそれをかわして、ディーノの元へ近付いていく。
鞭なんか初めて使うし、外すのも仕方ないのだろうが、ディーノがヤバい!
ヒヤリとした感覚に鞭を振った手を震わすと、とんでもない事が起きた。
「グッ!何だと?!」
「兄さん?!」
えぇー?!
かわされたはずの俺の鞭が柱を回って、死角から奴の身体を縛り上げていた。
こ、これって、結果オーライってやつ・・・?
とにかく俺はソイツを人質に争いを止めようと、近くに転がって来た銃を手にして奴の頭に突きつけた。
俺、めっちゃ悪人じゃね・・?
「動くな。動けば撃つ」
ハッタリでもドキドキしながら周りに言い放てば、一瞬誰もが俺に注目した。
こ、怖いよー。
だけど、俺は目敏くもこっそり銃で俺を狙っている奴を見付けてしまった。
止めろよー!こうなったら威嚇して止めさせるしかない!
そして銃声が二つ同時に鳴った。
キィィンと甲高い音を立てて空中で弾丸が弾け飛んだ。
え・・?!何が起こったの、今?!
周りの息を呑む音に、俺も大混乱。
俺、牽制のつもりで撃った。アイツも撃ったらしい。で、何?!
「あのガキ、弾に弾を当てやがった・・・」
敵さんが丁寧にも説明してくれました。
俺の牽制のための銃弾とアイツが撃った銃弾が空中でぶつかり合い、弾け飛んだと・・・。
えぇー?!マグレって二回連続で起こっていいのー?!
い、いい事にしようじゃないか。
うん。俺、強い。
俺はそ知らぬ顔をして、声を低くして呟いた。
「俺は銃器が一番苦手なんだ。次はどこに飛ぶか分からないぞ」
本音で対峙したのがよかったのか、俺の情けない一言で敵さんは戦意を失ったらしく、
遅れて駆けつけてきた先生達に取り押さえられて連行されて行った。
先生が事情を聞きにやってきたが、俺は物凄く気疲れしていてほとんど話を聞いておらず、
ディーノが代わりに答えていたようだった。
「まさか本校でこのような事が起こるとは・・。ですが君のような優秀な生徒のおかげで助かりました」
「は?」
「つい先頃、壊滅したマフィアの残党を僅かな所作と殺気で押さえ込んでしまうとは、先生は鼻が高い」
「・・・俺は何もしてない」
何でこんな話になったのか。
一体ディーノは何を言ったか、先生はとんでもない勘違いをしている。
俺、腰抜かして、マグレ爆発させただけだって。
ニコニコしている先生に何を言っても無駄なようで、溜め息を一つ吐けばスクアーロが間抜けな声を上げた。
「思い出したぁ。アイツ等、この前俺が潰した流派を組むマフィアだな」
ん・・・?
それじゃ、何だ?
アイツ等がここにやって来たのって・・・・・。
お前のせいかー!!
* ひとやすみ *
・主人公ホント何もしてない。笑
おそらくディーノとか、スクアーロとか目をキラキラさせて見てたんだろうなぁ
私は少年達の夢を壊しはしません!!笑 (09/06/13)