ドリーム小説

恭弥が寝てしまってから俺は部屋を出て骸と犬が居る場所へ向かった。

瓦礫だらけのその場所で不敵な視線を送ってくる骸に俺は眉根を寄せた。

お前ちょっと悪役気取りすぎだろ。

確かに昔から残酷な所があったけど、これはやりすぎじゃないか?

あまりに原作通りな骸に溜め息を吐くと、部屋の隅で虚ろな目をしているフゥ太が目に飛び込んで来た。

あ、あれってやっぱりマインドコントロールされてるんだよな・・・?

恐る恐る近付いてみるが何の反応もないフゥ太に俺はチラリと骸を見る。

マインドコントロール、解いては・・・・くれないよなぁ。

心なしか面白がっているように見える骸にガックリと肩を落としてフゥ太の前にしゃがみ込む。

ゴメンなぁ、フゥ太。

今お前を助けてやることが出来ないんだ。

せめてこのマインドコントロールだけでも何とかしてやりたいんだけど、俺の力じゃどうにも出来そうにないよ。

全部終わったらいくらでもお怒りは受けるから、今は我慢してくれ。

ぼんやりしているフゥ太の頭を撫でたら、バチッと音がして手が弾かれた。

イッテぇ!!てか熱っ!!何だよ今の?!静電気?!

弾かれた右手をまじまじと観察するも特に変わった様子はなかった。

ハッとしてフゥ太を見ると、同じように痛かったのか額を押さえて唸っていた。

うわ、ゴメン、フゥ太!




「大丈夫か」

「・・・え、、兄?」

「マインドコントロールを解くなんて何をしたんです、!」




えぇー?!俺が知るかよー?!

見る見るうちに瞳に涙を浮かべたフゥ太は俺にしがみ付いてわんわん泣き出した。

怒鳴るように叫んだ骸に俺はオロオロするしか出来ない。

俺、何もしてねーよ?!

まさかマインドコントロール解いてやりたいって思ったせい?!

追及するような視線を浴びせられて、目を泳がせた俺は逃げるように口を開いた。




「俺のことより、他にやることがあるんじゃないのか」




適当なことを言って目を逸らすと骸は俺の視線を追った。

頼むからこっち見ないで、怖いから!

俺がそんなことを思っていると、逸らした先の入り口から千種が怪我だらけで倒れ込んできた。






***






帰ってきた千種は怪我だらけで、まるで焼け焦げたようにまっ黒だった。

犬がレアだと言ったのも分かる。

今にもかぶり付きそうな犬を窘めた骸は、平静を取り戻し笑顔で俺に手当てを頼んできた。

千種の手当てをしながら考える。

千種の怪我に対する犬の反応も骸の反応も、俺にとっては違和感の塊だった。

コイツら仲間に対してこんな淡白だったか?

昔、傷付いて倒れた骸が自分の事より仲間がいるんだと必死に言ったことを俺は忘れていない。

これはもう幼い頃に比べて捻くれたとかいうレベルを超えてる。

むしろ別人だと言われても俺は信じるぞ。

俺と別れてからコイツらに何があったのかは知らないが、何かがおかしいとしか思えない。

でも、まぁ、今はそれ所じゃねーけど。

おそらく、隼人にやられただろう千種を見下ろして俺は溜め息を吐く。

本格的に始まっちゃったよ・・・。




「うげっ!何か面倒なのがゾロゾロ来たびょん。逃ーげよッ」




鼻をひくひくさせていた犬は嫌そうに顔を歪めて部屋を出て行った。

ゾロゾロ・・・?

綱吉達が来るにはまだ少し早すぎる気がするが、何ていうか嫌な予感しかしない。

不安に顔を歪めた時、パタパタと小さな音がして気が付けば肩に黄色い鳥が止まっていた。




「ハーイ!骸ちゃん!」

「私の鳥が他人に懐くとは」

「・・・誰だ?」

「「・・・・・」」




ギギギと首を捻って後ろを見れば、黒曜中の制服に身を包んだ不審者が五人そこに立っていた。

M・M!バーズ!ランチア!双子!

何かすっげー怖ェェ!!

飛び上がった俺は肩に鳥を乗せたまま、足が竦んで動けなかった。




「あぁ、。彼らは僕達の援軍ですよ」

・・・?」




骸の説明に反応するより先にランチアが声を上げた。

お、俺、何かしたっけ?!

帽子の唾を上げて、驚いたように俺を見るランチアは小さく口を開いた。




「まさか、・・・?」

「ハァ?!何ですって?!何で伝説の男がここにいるのよ!」

「生きてたんですねぇ」




いきなり大声を上げられて俺の蚤の心臓は破裂しそうだった。

好奇の目が寄せられる中、骸までがあんぐりと口を開いて俺を見ている。

何でお前までそんな目で見るんだよ?!




「只者ではないと思ってましたが。一体いくつ名前を持ってるんです、?」

「伝説のともなれば総資産はいくらかしら?!」

「なるほどなるほど。ここはコネクションを作っておくべきでしょうね」




嬉々としてにじり寄って来る奴等に俺のチキンハートが悲鳴を上げた。

こ、こっち来るなー!!!

俺の心に反応するように肩から鳥が飛び去り、縋るように視線を向けるも鳥は非情にも俺を置いて逃げた。

わーん!そんな恐ろしい顔で迫って来ないで!!




「俺に近付くな」




必死に搾り出すようにそう言えば、泣きそうな俺を憐れんだのか皆俺から距離を取ってくれた。

うぅ。ゴメンな。

出来るだけ早く慣れるようにするから!頑張るから!

でも、やっぱ、その双子だけは怖エェよー!!


* ひとやすみ *
・ようやく役者が揃いましたー!!
 何だかまたいろいろ起こってますが、どうなることやら。
 それにしても私の犬に対する認識は本気でワンコらしい。
 臭いで分かるってすごいなぁ。笑                            (10/09/07)