ドリーム小説

「お姉様!昨夜はよく眠れまして?」

「えぇ、それはよく」




無邪気に微笑むメアリーは可愛い。

なのにやってることは無慈悲とは世の中どうなってるのだと嘆きたい。

昨夜は寝れるわけがなく、貫徹してしまいましたともさ!

全く、誰だよ、この娘をこんな風に育てたのは。

間違いなく家族とポチたちだろう。

ポチ、アイツはいろいろ分かっててやらせてる節があったし、アイツの腐った目は何かの意思を持っていた。

とはいえ、こんな所に長居したくないんだが、一体いつまでここに居ればいいの?

俺がここに来てから一日と少し、執事から任務を受けて早三日。

俺、もうそろそろ限界なんだけど?

イライラとヒールを鳴らせば、周囲の視線が集まった。




「・・・もういいだろう」




無理。もう一分一秒でもここに居たくない!俺、帰る!

立ち上がった俺は素早くを抜いてメアリーに突き付けた。

俺より僅かに遅れて構えたのはポチで殺気を滾らせて俺を睨んだ。




「貴様ぁ!巫女様に無礼を働くとは!」

「失礼を。そちらの令嬢はすでに巫女の地位にはなく、ただのメアリー・メイラインという没落一家の小娘でございます」

「遅い」

「申し訳ありません、様」




優雅に一礼した執事はゴテゴテしい紙を広げて見せて嫌味ったらしく哂った。

うわ、ビックリした!いつの間に来たのか知らないけど、遅いよ、執事!

しかし、どうやら全て上手くいったらしい。

あの紙には本国からのメアリーの巫女位剥奪に関することが書かれているらしく、ポチは目を見開いて茫然としていた。

当のメアリーは俺にを突き付けられても、巫女でなくなっても、何が起きてるのか分かっていないらしく、

不思議そうに首を傾げて目を瞬いていた。




お姉様・・・?どうなっていますの?」

「悪いが、俺は、お姉様ではなく、お兄様なんだよ」

「貴様!か!」

「え?!あの強ーいマフィアの方ですの?!わー!私、お兄様でもお姉様でも様が欲しいわ!ポチ!」

「・・・えぇッ!を手に入れて必ず貴方を再び神に一番近い巫女へ召し上げてみせますッ!!」




すでに決着はついたというのに諦め悪くポチが突っかかって来た。

呆れ返った俺はで奴が構えた拳銃を撃ち抜いて吹き飛ばすと、執事に視線を向けた。

俺さ、このズルズル引き摺るドレスで避けれないんだわ。

執事は水を得た魚のようにいつものちくわ棍棒を組み立てると、豪快にポチの脳天を叩きのめした。

額を切り血塗れに成りながら俺に手を伸ばしてくるポチ。

こっち来んな、ドレスが汚れるだろーが。




「俺はドレスを血で汚す趣味はない」




ふんッ。ポチを見下ろして俺はそう言い捨てると、彼らに背を向けて歩き出した。

メアリーが何か喚いているが知らない。

お前が悪くないとは口が裂けても言えないが、彼女をあんな風に育てた奴こそ報いを受けるべきだ。

俺は背後を二度と振り返らず、後を付いてくる執事と共にその場を後にした。

さぁ、並盛に、家に帰ろう。

俺はそのままジェットに乗り込んで、泥のように眠った。








***







様、起きて下さい」

「・・・どこだ、ここ」

「並盛ですよ」




うわー、俺、何時間寝てたんだ?

ドレスのまんま寝てたらしく体中が痛くて、体を伸ばした。

苦笑する執事が俺の身だしなみを整えてくれ、俺はそのままジェットから降りた。

すると飛行場の片隅に数台の車と、見慣れた金髪と黒髪がいて驚いた。

あっれー?何で、お前らこんな所にいるの、ディーノ、恭弥?

強風に煽られながら首を傾げていると、ポカンと口を開けている弟二人がいた。




兄さん・・・、なんで?姉さん?」

「な、何でそのまんまなんだよ・・・」

「あぁ。一分一秒でも早く帰りたかったからな」




似合ってないけど、仕事だったからそこは許せと言うと二人は壊れた人形のようにブンブンと首を振って否定した。

あー、これだよ。これが純粋に可愛いと思える感情だよな。

メアリーは確かに美少女だったけど、怖すぎて可愛いと思えなかった。

俺が求めてたのはこういうの!




兄さんはもう人外の美しさだって!アフロディーテも裸足で逃げ出すくらいだし、俺めっちゃタイプだもん!」

「人外か・・・」

「・・・兄さん、味噌汁飲みたい。毎日作って、僕のために」

「?味噌汁くらいいつでも作るが・・・」




意味の分からないことを言ってギャンギャンまた喧嘩し始めた二人があまりにいつもの二人で

俺の日常に帰って来たんだとホッとした。

俺は怒鳴り合う二人をギュッと抱き締めて幸せを噛み締めた。

あぁ、俺の癒しだ。充電しとこ。

俺は二人にニッコリ微笑んで、ただいまと言った。

すると顔を真っ赤にして動かなくなった二人。

吃驚して執事に助けを求めると、執事は呆れて言った。




「問題ありません。ちょっと色気に中てられただけですから。馬鹿はしばらく放置するのが一番です」




よく分からないが、俺は二人を車に運び込んで両手に花だなとご機嫌で飛行場を後にした。

しばらく可愛い弟達に一緒に居てもらおう。



* ひとやすみ *
・そんなこんなでハッピーエンド!兄様両手にフラワーです!弟達の混乱ぶりがすごいっていう!笑
 メアリーは可哀相な子です。救いのない話でしたが、兄様が彼女に関わることはもうありません。
 兄様はヘタレなイイ人ですが、世界平和を願うような善人ではありません。一応裏育ちですしね。
 数日で心が荒んだ兄様はしばらく弟達を離さないでしょうね。弟達が絡むと急に色が帰ってくる不思議!
 あと一話、視点を変えてお送りしますので、重複しますが楽しんでいただけたら嬉しいです!                    (14/07/20)