ドリーム小説

霞んで見える靄の中でどこか立派な部屋に大量の書物と机があるのが端々に見える。

と同じような白い髪を持つ少女がの簪を持って嬉しそうに笑っていた。




『瑞花、行きますよ』




どこからか優しい声がすると瑞花と呼ばれた少女は破顔して走って行った。

駆け寄った先には女性が立っていたが、背を向けていて顔は見えない。

瑞花がその衣を引けば女性は瑞花に合わせる様にしゃがみ込んだ。




『憐泉様はいつも玉をお忘れになる』




憐泉と呼ばれた女性はクスクスと笑いながら瑞花がやりたいように髪を弄らせていた。

艶々と長い濃紺の髪を瑞花が綺麗に纏め、最後に玉の簪を挿し込む。

それを確認すると憐泉は立ち上がった。




『忘れてはいないのよ。瑞花に簪を預けておけば必ず私の元へ挿しに来てくれるでしょう?』

『それでは私が憐泉様を探し回らないといけないではありませんか』

『ふふ。いなくなればその足で探してくれる?』

『・・・・憐泉様はズルいです』














再び白い霧がかかった様に現実に引き戻されれば、目の前にを心配そうに覗き込むがいた。

目を何度か瞬かせて大丈夫と伝えようとしたが、

同じ場所に立ったままだった足を一歩踏み出すと、膝から崩れ落ち失敗に終わった。

とっさにが支えたので、が床に倒れる事にはならなかった。

部屋を去ろうとしたが急に立ち止まり、の声にも反応しなくなったと思えば、

今度は突然崩れ落ちたのでさすがの六太も驚いての元に飛んで行った。




!大丈夫か?」




心配そうに延麒が覗き込んできて、寝かされた私は苦笑するしかない。

身体に可笑しい所はないし、頭もはっきりしているのにどうも力が入らない。

さっき靄の中で見た映像が何か関係しているのだろうか。

それよりもさっきの少女が瑞花で彼女が憐泉だと言うなら、彼女達は一体誰なんだろう?

瑞花と呼ばれた少女は雰囲気からして所謂、憐泉の侍女と言うやつなのだろう。

そして憐泉と言う名前には聞き覚えがあった。

契約を交わした際、が零した憐泉という言葉。

まさかそれが人の名前だとは思っていなかったが。

私の持つ玉の簪の前の持ち主が憐泉だったのならば、の前の主は憐泉という事だ。

そしてその可能性は高そうな気がした。

寝かされた長椅子でそんな事をつらつらと考えていたらとんでもない事になっていた。




の体調がよければこんな事言いはしない。延王、鸞、いや青鳥をお貸し頂きたい」




口調を改めたの声に現実に引き戻され、目の前の悔しそうなの横顔を覗き見た。

が急に態度を変えて延王に話し出したので私と延麒は思わず顔を見合わせた。

一体何が起ころうとしているのだろう。




「何だ急に」

「我々は急ぎ慶に帰らねばなりません」




これに何故か延麒が顔を顰めた。

気になって延麒の様子を窺うとそれに気付いたのか理由を話してくれた。




「慶の王朝はもうダメだ。景麒が失道の病に倒れた」




―― 失道。

これは国にとって最悪の事態だと聞いている。

知っていたのかと問いかけるようにを見れば目を逸らされた。

その事で逆に私は気付いてしまった。

それでも慶に行かなきゃいけない理由がにはある事を。

私の意志を汲んだように延王がに聞いた。




「何の為に荒れた慶へ行く?」

「・・・・・。憐泉を見付けたとだけ」

「「何ッ?!」」



え?憐泉っての前の主よね?!

そしたら私との契約は・・・・。

いろんな不安が波のように胸に押し寄せてきた。

延王も延麒も動揺しているようで2人とも今にもに掴みかかりそうな勢いだった。




「待て。憐泉は数百年に死んだはずだ」

「あぁ。そう慶からおれは聞いたぜ?気付けば仙籍が抹消されていたと」




私は黙って三人の会話を分析した。

憐泉は仙で、慶の人。

しかも数百年前に仙籍が抹消されている。

仙籍が勝手に抹消されるとは即ち死を意味している。




「そのように景王も認識されている」

「ではなぜ?」

「ここから先は景王に」




が横になっていた私の元にやって来て額を撫でた。

それ以降、話そうとしなかったを見て延王は私達に客室を与えてくれた。

一体、どう言う事なの、・・・・・?


* ひとやすみ *
・展開が分からない意味不明な感じになっていれば成功なのですが・・
 私も意味不明迷路に迷い込んだような気がします。。。     (09/01/05)