ドリーム小説

「何の騒ぎだい?」




久しぶりに顔を合わせた男は相変わらず意味不明だった。

そんな事を思っていると、ものすごい音が聞こえてきて、雲雀の足は自然と音の方へ向いた。

それが何かの破壊音だと知れた頃、すでに部屋の扉なんて物は吹っ飛んでいて跡形もなかった。




「わぉ。群でのサバイバルゲームだね。こういうのなら大歓迎だ」




部屋の中はまるで荒れ果てた戦場だった。

スクアーロの言葉にぶち切れた綱吉は死ぬ気の炎で加速して戦闘が始まった。

その場にいたメンバーが参戦し、場は混乱を極めた。

そんな中に雲雀が足を踏み入れてしまったのだ。

ウサギ小屋に獣を放り込んだも同じことだ。

嬉しそうに笑った雲雀はトンファーを出して真っ先に綱吉の元へ向った。

それを受け止めた綱吉は目だけで雲雀を見て薙ぎ払った。




「10代目に何しやがる!馬鹿雲雀!!」

「それは何のプレイだい、獄寺隼人?」

「うるせぇ!!気付いたんなら縄解きやがれ!」



未だに縄で結ばれて転がってる隼人を見て雲雀は溜め息を吐くと、綱吉が今、戦ってる骸に視線を向けた。




「邪魔だね、アレ」

「こらー!!恭弥、ツナ連れて来いって伝言頼んだだろ!何遊んでんだ!」

「あぁ。あれ伝えろって意味だったの」

「テメェは跳ね馬?!」




突如、現れたディーノは執務室、いや、元執務室だった所を見てギョッとした。

ほとんど何も残っていない・・・。

久しぶりに会った雲雀に綱吉を連れてきて欲しいと言ったのだが、雲雀は聞いていなかったらしい。

それどころか、楽しそうに戦闘に加わっていた。

木っ端微塵の部屋の端で優雅にコーヒーを飲んでいるリボーンとディーノは目が合った。




「おいツナ。は広間だ」

「!!」




ニヤリと笑ったリボーンに綱吉は慌てて飛び出ていった。

急に静かになった部屋でリボーンが声を上げた。




「さて。俺達も準備するぞ」

「え?えぇ?一体何の話っスか?!」

「何なの?」




この場で分かってないのは巻き込まれた雲雀と隼人だけだった。







***





!!

綱吉は必死に走った。

大事な娘が連れ去られたのは間違いなく自分のせいだ。

なりふり構わず、滑る廊下を必死に走って目的の広間の扉を思いきり開けた。

そこで見たものは・・・




「あ!パパ!あけましておめでとうございます!」

「・・・・へ?」




広間の床は畳に変わっていたし、コタツの上にはおせち料理。

何より正座して座っていた娘は振袖を着て笑っている。




「な、何がどうなって・・・」

「はいはい。ツナ兄はこっち!着替えなきゃね」

「フゥ太!これは・・・」

「いいからいいから!」




流されるままに袴を着た綱吉は言われるままにの隣に座った。

はにっこり笑った。




「パパがとのやくそくやぶったしかえしなんだって、ザン兄が言ってたー」

「ザンザスが?」

「うん。だからもうおしょーがつ過ぎちゃったけどみんなでお祝いするんだよ。、つかまったフリ上手だった?」




ものすごく嬉しそうなを問い詰める事は出来そうにない。

綱吉は年末から忙しくて構ってあげられなかった娘の頭を撫でた。

どうやら一連の事件はこれをセッティングするための物だったらしい。

情けない事にを悲しませた綱吉に対する復讐というドッキリに引っかかった訳だ。




「おせち料理かぁ。久しぶりだな」

はおせち料理はじめてみたー」

「え?」




嬉しそうにしているの横顔を見て綱吉は思った。

忙しいで片付けてきた分のツケが一気に廻ってきた気がした。

自分が正月に日本で当たり前に見ていた物をは見た事がなかった。

自分の行いを改めて悔やんだ綱吉は、この機会に一緒にいろんな物を見ようと心に誓った。




「おせち料理のじゅうばこは幸せをかさねるって意味なんだってー」

「へぇ、は物知りだね」

「えへへ。あとね、数の子はこどもがいっぱいってお願いするものでね」

「うんうん」

「よろコンブー!」

「うんうん」

「紅白かまぼこは紅白みて食べろってことでね」

「うううん・・?」

「黒豆はまっ黒になるまでまめまめしくはたらいて、豆のように小さくまめまめしく生きていけってことなんだって」

「え、と、誰に聞いたのそれ?」

「むくろー」




うちの娘に何教えてくれちゃってるの、六道骸!!




「どうだ、うまいか?」

「あ!うん!武のつくるのぜーんぶおいしい!」




振り返るとファミリー総出で広間に入って来た。

もちろんみんな袴を着ていた。

どうやら知らなかったのは自分だけのようだ。




「どうだ、ツナ。少しは休暇を取る気になったか?」

「リボーン・・・」




その一言で山積みだった仕事を片付けるために最近、休暇を断り続けていた事を思い出した。

楽しそうにディーノと話しているに視線を向けて頷くと、目の前に一枚の紙が現れた。

それは先程死闘を繰り広げたスクアーロが差し出した紙だった。




「読めぇ。俺がに出した課題の作文だ」

「日本の正月について・・・?」




『日本のおしょーがつは、コタツにはいっておせち料理を食べます。

 それから紅白うたがっせんをみて、年こしそばを食べます。武がつくったやつがいいです。

 つぎの日になったらキモノをきておまいりします。みんながなかよくげんきがいいっておいのりします。

 はねつきってやつをして、かおを黒くぬられます。

 おとしだまをします。なにをおとすかはむくろにききます。

 はパパの日本にいったことがないです。

 だからいつかほんとのおしょーがつをパパといっしょにやりたいです』




「パパぁ!たのしかったー?よろこんだー?」




よく似合うオレンジ色の振袖を揺らして、は綱吉に飛びついた。

綱吉は視線を合わせるように屈んで笑った。




、来年の正月は日本に行こうか」

「え?」

「コタツで紅白見て、年越しそば食べて、初詣に行ってみんなで羽根つきしよう」

「パパもいっしょ?!」




驚いた顔をしていたは思い出したように聞いてきた。

必死そうなその表情に綱吉の心は綻んだ。




「あぁ。もちろん一緒だ」


* ひとやすみ *
・ツナと一緒に謝りたい。出遅れ正月ネタです。
 おせち話は信じないでくださいね。骸の出任せですから!笑
 うちのボンゴレーズはこんな感じですvv       (09/02/05)