ドリーム小説

「ザン兄ー!特上フィレとサーロインもらったー!」

食う




が頭に抱えて肉を持ってきた途端にザンザスの目がキラリと光ったような気がした。

どう考えてもおかしな状況にスクアーロが慌てて待ったをかける。




「ゔお゙ぉぉい!待て、何でが肉なんか持ってんだぁ?!誰に貰ったぁ?」

「んーと、しらないオジサン」

「まぁ!知らない親父には食べ物恵んでもらったら駄目よ!ベルちゃん、と一緒だったんでしょ?誰なの?」

「んーと、知らないオジサン♪」

この役に立たずがぁ!




の肉を目で追い始めたボスに益々焦るスクアーロは乱暴に頭を掻いた。

そこに黙って座っていたマーモンがボソリと口を開いた。




「金の無いどこぞの三流マフィアのボスだよ。肉持って何しに来たのやら」

「しし。の引き抜き」

「んだとォ?!」

「まぁ!アタシ達から引き抜いても何にもならないけど、勇気あるわねそのド三流」

「でっしょー?肉だけ貰ってボコっといた」




納得したようにに視線をやった一同はボスで遊んでいる少女に溜め息を吐く。

ボス、完全に肉に目を奪われてる・・・。




「ザン兄!と遊んでくれたらこれあげるー。が勝ったらみんなで分けっこ、負けたら全部あげる」

「乗った」




間髪入れずにそう答えたザンザスに波乱の予感。

そこに現れた了平も巻き込まれ、との遊びは遊びの規模を超えていくのだ。




「肉を賭けての戦いか!極限燃える勝負だな!」

「しし、暑苦しいよ晴男。それで何すんの?カード?」




は首を横に振り、ポケットから短冊を取り出した。

覗き込むメンバーに手招きをして、しゃがみ込んだ所に短冊を胸にぺたりと貼り付けた。

全員が胸に紙を貼り付けるとは嬉しそうに言った。




「この赤いかみね、ぬれると青くなるの。半分ぬれたり、やぶれたら負けね」

「リトマス紙のようね」

「水か」




歯を見せてニカリと笑ったは大きな声で楽しそうに答えた。




「さばいばるだよ!!」











***











場所を外に移し、に貼られた短冊を守り抜く何でもありのサバイバルゲームに皆結構乗り気であった。

大の大人が一人一つづつ配給された水鉄砲に殺気ムンムン。

さすが暗殺部隊と言ったところか。




「見てー!きがえたー!」

「アタシの新作水着よーん!可愛いでしょー!」




ルッスーリアと共に現れたにその場にいた全員が噴いた。

黒のへそ出しキャミソールに黒のショートパンツ、肩を覆う短い黒のポンチョのフードには何と猫耳。

オマケにお尻には黒い尻尾まで律儀についている。




「ねこちゃんかわいいー?」

「あ゙っは!姫似合うじゃん」

「うむ。極限に猫だ!」

「テメェ、何てモン着せてんだぁ!」

「あら、可愛いでしょー?今回のタイトルは『ミッションイン尻尾振る』よ!」

パクリじゃねぇかぁ!

「ミッションインシッポブルー!!120点いただきましたー」




いつものファッションチェックの結果を報告したはご満悦。

これでメンバーは全て揃った。

、ザンザス、スクアーロ、ベル、ルッスーリア、レヴィ、マーモン、了平の計八人。

今回の対決は対ザンザスと言う事で、チーム戦になる。

公正なくじの結果・・・。




「くろねこちゃんチーム!とアーロとレビときょくげんです!ふぁいとーいっぱーつ!」

「やん!負けてられないわね!じゃあこっちは黒肉チームよ!メンバーはボスとベルちゃん、アタシにマーモンよ!」




ルッスーリアの勝手なネーミングが付けられた所で、は嬉しそうに胸に紙を貼り付けて武器を確認した。

左右の腰に水鉄砲が取り付けられ、いくつかの水風船が腰にぶら下がっている。

水風船はがもっとも得意とする武器なのだ。




「みんなぬれたら敵チームの勝ちで、先におにくをとったチームが勝ちね」

「あぁ」




は自信満々に水風船を翳してザンザスを指を差す。

負けじと睨み返すボスは完全に大人気ない。




「くろにくチームには負けないもん!」

「ハッ!返り討ちだ」




肉を賭けた戦いのゴングがまもなく激しく鳴り響こうとしていた。

果たして、特上フィレとサーロインの行方はいかに?



* ひとやすみ *
・また突発的にしでかした気が。笑
 毎度の事ながらルシーのファッションチェックが好きです。楽しいです。
 親父ギャグ的なタイトル付けるのが変に頭使って面白い。
 ボスはお肉に夢中!こんな仲良しな暗殺部隊なんて滅多に見れませんよねー・・・(09/6/26)