ドリーム小説

それは唐突な出会いだった。

出会うはずのない二人が出会うべくして出会い、3週間の時を経て互いの心に少しずつ想いを募らせていく。

しかし、突然の別れに引き離され、その想いの分だけ胸を締め付けた。

悲しみを心に秘めるとザンザスであったが、彼らの熱い気持ちが再び運命を交差させる。

これはそんな二人の切ないラブストーリーである。




「アンタ、馬鹿?!今の説明で何を理解しろというの?!」

「知るか。テメェの頭が足りねェだけだろーが」




激しく言い争う二人にヴァリアーの面々はただただ息を潜めて見守る事しか出来なかった。

一体、この命知らずな女は何なのだろう。

パーティーの最中に降って来た女にザンザスがキスをして、そうしたら女がボスを殴り、今に至る。

さすがに目に付くので部屋を移したわけだが、この通りずっと口論が続いている。


は疲れたように大きく溜め息を吐いてヴァリアー幹部に視線を向けた。

そういやこの人達もあの漫画の表紙にいたような・・・。

はザンザスが漫画の世界の人間だった事をあの3週間の後に知ったのだ。

実際に目の前に生きているんだからにはそんな事どうでも良かった。




「私は。ザンザスとは家主と居候の関係だったんだけど、今度は逆になりそうなんでよろしく。

 で、アイツの説明では貴方達アイツの下僕ってホント?」

「ゔお゙ぉぉぉい!テメェはまた好き勝手な事言いやがって!」

「あえて言うなら単なる金銭の関係で、ボスと部下ってだけだよ」

「ししし。俺達はボンゴレの独立暗殺部隊なわけ」

「ザンザス様が俺達ヴァリアーのボスなのだ!」

「あら、ちゃんはウチに来るのね!」




好き勝手な言葉が飛び交い、はそれらを要約して驚いたように目を見開いた。

ザンザスは独立暗殺部隊ヴァリアーのボスだったのだ。

驚愕の視線を向けるにザンザスは不機嫌そうに舌打ちをした。

出来れば、には素性を知られずにいたかったのだ。




「嘘よ!!こんな横暴男に付いて来る部下なんていないわよ!!ザンザスに人を引っ張る能力なんてないって!」




・・・・・完全に驚く所を間違っている。

暗殺部隊に怖がるかと思いきや、ザンザスが人を率いている事には驚いていた。

ザンザスはそうだった、と大きな溜め息を吐いた。

この女はどこか可笑しいんだった。








***








「ザンザス、寒い。その上着貸して」

「知るか」




車に詰められてはザンザスの隣でむき出しの肩を擦った。

結婚式の最中にこの世界に落ちてきたので、パーティードレスと小さなバッグしか手元にない。

車内は特別寒いとかではなかったのだが、何だか肌寒かった。

相変わらずのザンザスには膨れて、奥にいたマーモンを呼び付けた。




「やっぱマーモンあったかいね」

「おい」




有無を言わさずはマーモンから暖を取るために抱き上げた。

マーモンとその他ヴァリアーの面々は嬉しそうなと急激に不機嫌になったボスの顔を何度も見比べる。

お前の行動は自殺行為だと念を送るも、は気付く気配すらない。




「・・・マーモン、離れろ」

「えー!寒いからヤダ!」

「テメェは黙ってろ。ここで犯され・・・」

教育的指導ー!!アンタ赤ちゃんの前で何てこと言うのよ!!!




持っていた小さなバッグでザンザスの頭をスパコーン!!と殴れば鬼のような赤い眼が向けられた。

それに縮み上がったのはヴァリアー幹部で、一番近いマーモンはトバッチリを避けるべく話を変えようと必死に口を挿んだ。




「っボス!!本当に寒いみたいで震えてるよ、この人!」




ギン!と恐ろしい眼が向けられたマーモンは思い出したように慌てての腕から飛び降りた。

残念そうな目を向けたの肩にザンザスの隊服が掛けられて、驚いたように隣を見上げる。

何だか変な顔をしたザンザスがチラリとのバッグに視線を向けた。




「お前、そのバッグに何詰めてやがる」

「携帯」




どうりで痛いはずだと恨みを込めて目を細めたザンザスには楽しそうに笑った。

は暖を取るようにザンザスの腕に擦り寄って小さく呟く。




「電話、聞こえたよ。呼んでくれてありがと」




小さく自分にだけ届いたその言葉にザンザスは鼻を鳴らして、車は静かに夜の街を走った。








***







屋敷にようやく着いた時、はザンザスに凭れて眠っていた。

声を掛けても起きないにザンザスが揺すると、はそのまま前へ倒れ込んだ。

慌てて抱き止めたザンザスはの呼吸が荒い事に気付いて顔を覗き込んだ。

苦しそうに息を吐くにザンザスは舌打ちをして、抱え上げた。




「ゔお゙ぉい、どうした?」

「医者を呼べ。倒れた」

「あぁ?!」




迷いなく歩くザンザスはを連れて自室へと向っていく。




「・・・ザンザスがウチに来た時のアレ、どうやらお風呂用洗剤を混ぜたせいじゃないみたいね」




額に汗を掻きながらぼんやりとザンザスを腕の中から見上げるに眉根を寄せる。

確かに風呂に入ってる最中に意識が朦朧としたが、まさか異世界渡航の影響だというのか?

ザンザスは辛そうなの顔を見て何度目かの舌打ちをして、自室の扉を開けた。


廊下に一人取り残され、キョトンとしていたスクアーロは思い出したように医者を呼びに踵を返した。

今夜は面倒な事件だらけだと一人ゴチながら。








医者はの症状を見て、あっさりと過労と診断した。

異世界を渡ったその反動だと言う医者などいる訳ないのだが、ザンザスは医者は当てにならないと判断した。

休ませてあげるのが一番だと当たり前の事を医者が偉そうに言うので、すぐに部屋から追い出した。


ザンザスはドサリとベッド脇の椅子に座って、今はすやすやと眠っているの顔を見た。

何でこの俺がコイツにベッドを譲って看病までしなきゃなんねェんだ?

完全にに振り回されてる自分に気付いて眉根を寄せる。

もう一度顔を見たいと望んだのは確かに自分だが、いざ会ってみると小煩くてなぜそう思ったのか甚だ疑問である。

しかし、今現在こんなにも静かなのがどこか居心地悪く、落ち着かないのだ。

ザンザスはガタリと椅子を鳴らしてベッドに近付いて溜め息を吐いた。

サラリとしたの髪に指を通して、頬を撫でる。




「静かなお前なんか気持ちが悪い。さっさと目を覚ませ、


* ひとやすみ *
・一応続きです。が。
 こっちは正直いちゃこら度合がかーなーり増加してますので、とりあえず注意です。
 大人なレディはどうぞ。ただし熟女には物足りない一品。笑
 意味のない冒頭が一番書いてて楽しかった!                          (09/08/18)