ドリーム小説
もしこの世に神様という存在がいるなら、そいつはきっと物凄い性悪な奴なんだろう。
人間は平等には出来ていないし、ついてない奴はどこまでもついてないのが現実ってもんだ。
地獄の果てまでついてない奴を一人紹介するならば、これほどうってつけな人物はそう居ない。
浅田、十九歳、大学生、次男坊。
つまり、俺のことね。
世間一般で言う“おしどり夫婦”に“出来た息子”。
ウチは近所からは羨ましいと羨望の目で見られる完璧な家族らしい。
しかーし、だ。
俺から言わせて貰うとするならば、
代われるもんなら代わってくれ。
あいつらは羊の皮を被った狼、・・・いや、
エイリアンだ。
手始めにこの町から征服して、いつか世界を我が物としようとしてるに違いない。
あいつらを形容するならば、鬼嫁・元ヤン・家事放棄、優男・破壊魔・馬鹿力、鬼畜・守銭奴・女の敵、だ。
母、父、兄の順番で並べてみたんだけど、分かるだろうか・・。
いや、分かるわけがないよな、
俺の苦労が。
恐怖政治の名の下に俺は育てられ(むしろ自力で育った)、愛の鞭という名の暴力と
理不尽極まりない我が侭に振り回されて俺、の出来上がり。
そんな状況で育った俺がどんな奴かなんて、大体分かるだろ?
我が道を時速300キロ以上で暴走する家族を止める事など出来るはずもなく、俺はひっそりこっそり暮らしてきた。
喋るな、関わるな、頭を使え。
これは理不尽で横暴な人生を生きるために俺が身に付けたスキルである。
さてさて、なぜ俺がいかについていないかというどうでもいい話をしたかと言うとだな、
俺の記憶を確かめておきたかったのだ。
うん。俺は確かに浅田だし、非人道的一家の元で育った大学生で超チキン野郎です。はい。
なら、目の前の状況は一体何なんだろう・・・?
可愛い系の金髪外人美女が目の前にいる。
それだけならまだしも、上半身裸の彼女の乳に俺は吸い付いていた。
何しちゃってんの、俺ー?!
何でセクハラ通り越してこんな犯罪行為に及んでるのかさっぱり見当がつかないが、俺はとりあえず必死に乳を吸った。
あぁ!そんな目で見るな!小さく変態とか言うな!
多分おかしな事ではないはずなんだ。
なぜなら俺は・・・・
「早く大きくなってね、私の赤ちゃん」
そう、俺は赤ん坊だった。
全く理解出来ないが、とにかく俺は再び生まれたのだ。
* ひとやすみ *
・しょっぱなから際どくてすいません。
男主という事でドキドキですが、健全路線をのらくら行くつもりです(09/05/30)