ドリーム小説
学校の図書室と言うのはいいもんだ。
たくさんの本に囲まれて独特の雰囲気の中で本を読むと頭がよくなったように思える。
教室じゃ落ち着かないし、俺は空き時間に図書室の一角に日の当たる絶好の隠れスポットで本を読んでいた。
最近ハマッているシリーズ物の本を持ち込んで、時間を忘れるまでに読み耽っていた。
「兄さん?」
ふと呼ばれて顔を上げると、ディーノが俺を覗き込んでいた。
あれ?てかお前なんでここにいるの?
授業で図書室を使ったんだと言ったディーノは本を数冊テーブルに置いて、向かいの席に座った。
「よく俺が分かったな」
「兄さんはどこにいても分かるよ」
コイツ、俺に発信機でも付けているのだろうか?
エスパーみたいなディーノに感心して、すごいなと言えば苦笑された。
え、何で笑われたの?
***
「兄さん、それ持ち込みだよね?」
「あぁ。学校やそこらの本屋じゃ売ってないから取り寄せた」
「それ、何語・・・?」
「
落語だ」
中々に面白いんだぞコレ。
『楽語と堕落語、ふたこぶ楽堕』シリーズは泣ける。
あとがきの「ふたこぶらくだと落語の関係性はあるのか」が一番ヤバイ。
ディーノはしげしげと俺の本を見て俺をキラキラした顔で見上げた。
「すごいな。兄さんはホントにいろいろ勉強してるよね」
「俺がお前より少し長く生きてるからだろ」
そんなしみじみ言われても恥ずかしいだけだって。
昔は俺だって落語なんか興味なかったしさー。
しかも何となくで読み始めただけだし、勉強とか言っちゃうような事何もしてねーぞ?
俺は読んで笑ってるだけ。
そう言うディーノこそ、最近こそこそと本を読んでいるだろーが。
こっそり隠れて勉強してるの俺、知ってるんだぞ。
「ディーノ、その本の内容は物になりそうなのか?」
積んである本のタイトルもちゃんと見てないけど、多分そうだろうと予想をして顎で指せば驚いた顔が返ってきた。
いや、そりゃそんなたくさん毎日抱えてれば、そう思っても不思議じゃないだろ?
恥ずかしそうにしているディーノが小さく「知ってたの?」と言ったので、頷いた。
するとディーノは積んである本のカバーを外し出した。
ん?カバーと中身違うじゃん。
「すっごく恥ずかしいから、皆には黙っててね、兄さん」
えぇー?!『SMに学ぶ正しい鞭の使い方』だとー?!しかもシリーズ本!!!
ディーノ、お前にそんな趣味があったとは・・・・ッ!!
お、俺、驚きすぎて、魂抜けた・・・。
「まだこの通り出来た事無いけど、上級テクとかホントに凄くて!!」
・・・・上級テク。
兄ちゃん、どういう反応を返せばいいんですか?
「俺、頑張るから見ててね、兄さん!」
「・・・・上手く出来るようになるといいな」
「ありがと、兄さん」
うわーん!!俺の意気地なしー!!
でも、いいんだ。
ディーノがそれでいいのなら、それで。
たとえディーノがSM女王様になりたいのだとしても、俺はお前の兄ちゃんだからな!!
* ひとやすみ *
・そら様キリリクのディーノとの日常的なものという事ですが・・・。
いいのか、これが日常で・・・ッ!!驚愕
主人公馬鹿丸出しじゃないですか。笑
よろしければ弟視点だとどうなるかも見て行ってやって下さい。笑 (09/07/31)